LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

日本ロジスティクスファンド投資法人/平成18年1月期決算短信

2006年03月23日/物流施設

日本ロジスティクスファンド投資法人の平成18年1月期(平成17年2月22日~平成18年1月31日)決算短信の運用状況等は下記の通り。

当期の概況
A.投資法人の主な推移
本投資法人は、主として首都圏、近畿地域、中部地域、九州地域に所在する物流施設の用途に供されている不動産等を投資対象とする、我が国で初めての「物流施設特化型REIT」。

投信法に基づき、三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社を設立企画人として、平成17年2月22日に設立され、同年5月9日に東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場した。

公募増資により調達した資金で上場直後に6物件を取得し、当期中に東京新木場物流センター、羽生物流センターを追加取得した結果、第1期末(平成18年1月31日)時点で合計8物件(取得総額30,145百万円)の不動産等を運用しており、総資産額は35,126百万円、発行済投資口数は59,500口となっている。

B.投資環境と運用実績
日本経済の回復と共に金融機関の不良債権処理に伴う不動産流通が減少する一方、資金運用難の環境下にあって絶対収益が期待できる不動産投資はより一層活発になっており、不動産流通市場においては取得競争が激化している。

物流施設不動産は、オフィスビルや庄宅に比べて相対的に高い利回りが期待されることから、外資系を中心としたプライベートファンドが積極的に物件を取得しており、他の収益不動産同様に取得環境は厳しくなる傾向にある。

本投資法人は、資産運用会社の株主である三井物産(株)、中央三井信託銀行(株)とケネディクス(株)と協働し、幅広いネットワークを活用して物件情報の収集と資産の取得を行っている他、他社に先行して物流施設REIT事業を推進してきたメリットを活かし、当期は上場時6物件と期中2物件の不動産等を比較的有利な条件で取得することができた。

テナントとしては、摂津倉庫(株)、ヤマト運輸(株)、リコーロジスティクス(株)等の有力物流会社に施設を利用されており、稼働率は全物件において取得時から当期末まで100.0%を維持している。

C.資金調達の概要
本投資法人は、平成17年2月に出資総額500百万円で設立され、同年5月に公募増資により29,562百万円、同年6月の第三者割当増資により1,486百万円を調達し、当期末現在の出資総額は31,548百万円となっている。

本投資法人は当期末時点で借入金を有していませんが、国内主要11金融機関との間で資金調達に関する基本合意書を平成17年11月22日に締結しており、資産取得等の資金需要に機動的な対応が可能な体制を整えている。

D.業績及び分配
運用の結果、当期の実績は営業収益2,110百万円、営業利益1,284百万円となり、さらに、新投資口発行費、投資口公開関連費用、創業費償却額等を控除した経常利益は1,033百万円、当期紅界II益は1,031百万円となった。

分配金は、税制の特例(租税特別措置法第67条の15)の適用により、利益分配金の最大額が損金算入されることを企図して、投資口1口当たりの分配金が1円未満となる端数部分を除く当期未処分利益の全額を分配することとし、この結果、投資口1口当たりの分配金は17,344円となった。

②次期の見通し
A.環境認識
世界経済は、原油価格高騰、米国・中国経済の動向、金利上昇等の不透明な要因を残しつつも成長基調で推移する中、経済の先行指標と言われる貨物量は、国内物流においては横ばい、国際物流においてはアジア圏との貿易取引を中心に増加傾向にあり、貨物量の増加に伴って物流施設に対する基礎的需要は緩やかに回復していくと考えられる。

個別企業は、物流全体の最適化を志向する活動が引き続き活発であり、国内物流網の拠点見直し・統廃合に伴い地域別に分散していた在庫を都市部の大型物流施設に集約する事例が増加している。

新たな物流拠点の設営に際しては、施設の所有と利用を分離歩る発想が浸透し、非コアアセットである不動産の保有リスクを低減するために賃借を選択するケースが増えていくものと考えられる。

また、自社資産を持たずに物流事業を展開する3PL事業者の増加も、物流施設に対する新たな需要を生み出していると言える。こうした環境の変化により、本投資法人のように物流施設を長期に保有する主体の存在意義はますます高まっていくことが期待される。

しかしながら、当面の物流施設の取得環境については、資金運用難を背景として不動産に対する投資需要は引き続き高い水準で推移すると考えられ、物流施設不動産の取得にあたってもプライベートファンド等との物件取得競争はより一層激しさを増していくと予想される。

B.今後の運用方針及び対処すべき課題
このような投資環境の中、本投資法人は以下の方針に基づき、中長期的な安定収益の確保を目指した運用を行う方針。

(イ)保有不動産の運営管理
・賃貸1昔契約の更改
賃貸1昔契約の更改に際しては、既存テナントに対する中長期的な賃貸を基本方針として運営管理を行う。また、その際には、長期賃貸借契約への切替も選択肢の一つとして、収益の安定化に努める。

既存テナントが退去する場合には、収益性の維持を念頭に置いた上で、切れ目なく賃貸借を継続できるようにリーシング活動を行う。

なお、本投資法人が現在保有する物流施設不動産の残存賃貸借契約年数は、契約賃料(年間べ一ス)で加重平均して算出したべ一スで5.6年であり、引き続き安定した収益が期待される。

・テナントリレーションの強化
既存テナントとのコミュニケーションを密に行うことにより、テナントの総合的な満足度向上を図る。具体的には、既存物流施設における増床ニーズに対応することや、テナントニーズ・業界トレンドに対応した機能向上・リニューアルを適宜行うことが挙げられる。

・保有不動産の適切な維持管理
保有不動産の修繕・更新工事の実施に際しては、工事費用の平準化に留意してこれを行う。また、適切なプロパティマネジメント会社を選定し、各物1牛の特性に合った効率的な運用管理を行うことや、資産運用会社における維持管理の質を高め各種手続きの標準化を進めることで保有不動産の維持管理最適化を目指す。

(ロ)新規物件の取得
・物件情報の収集活動
プライベートファンド等との過度な価格・取得競争を極力避けるために、資産運用会社の株主である三井物産、中央三井信託銀行、ケネディクスの幅広いネットワークを活用して、物件情報の早期
入手及び相対取引の促進に努める。

また、独自の新規情報ルート確保も合わせて進め、より有利な条件で物件取得が行える環境の整備に努める。

・取得物件のスペック
物件取得に際しては、物流施設の長期安定運用に不可欠な要素である立地および施設の汎用性を重視して投資判断を行う。とりわけ、特定業種テナントの使用にのみ対応する特殊な施設構造・設備を有する物件の取得は原則として避け、広範な物流需要に対応できるスペックを有することを重要な判断基準とする。

・ポートフォリオの分散
経済変動や地震等の特定地域に重大な影響を及ぼす事情による収益変動を最小化するため、ポートフォリオの地理的分散に留意した物件取得を図り、テナント退去による収益変動を最小化するため、テナント、テナントの属する業種、各テナントとの残存賃貸借期間等の分散を意識したポートフォリオの構築に努める。

(ハ)財務戦略
一口当たり利益の持続的な成長を最優先に、保守的な借入比率の維持に留意しつつ、金融機関からの借入・公募増資等の財務活動を行っていく。有利子負債の調達にあたっては、リファイナンス・リスクの低減を図るため取引先および資金調達手段の多様化を図ると共に、格付機関から発行体格付けを取得することにより信用力の補完を図る。

また、テナントより預託を受けている敷金及び保証金について、物件の取得資金の一部として活用する等、効率的なキャッシュ・マネジメントを行っていく方針。

関連記事

物流施設に関する最新ニュース

最新ニュース