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NECとアビームコンサルティング/フジッコの主力工場に新生産管理システム構築

2007年08月22日/SCM・経営

日本電気(株)とアビームコンサルティング(株)は8月21日、惣菜製造業大手のフジッコ(株)の主力工場である鳴尾生産事業部・西宮工場・和田山工場で、SAPジャパン(株)が提供する基幹業務ソフトウェア「SAP ERP」を基盤とした新生産管理システムを構築し、稼動を開始したと発表した。

今後フジッコは、ほかの5工場でも新生産管理システムを順次展開するとともに、購買・販売・物流領域なども含めた基幹システムの刷新を行う。

フジッコは新生産管理システムの導入で、①生産管理業務の効率化とデータ精度の向上②トレーサビリティ基盤の強化③現場情報の「見える化」による意思決定の迅速化――の実現を図る。

NECとアビームコンサルティングは、2006年1月からフジッコとの共同プロジェクトに参画し、サプライチェーン領域での現行業務分析・課題抽出、新たな業務プロセスの設計、システム開発・構築、データ移行作業、導入研修などを行った。

新システムでは、これまで独立していた生産計画、製造実績管理、製造現場の各システムを統合し、生産計画立案・現場への製造指示・原材料の分量や製造方法の管理・製造実績入力にいたる処理のシームレス化を実現。

また、これまでは担当者が生産実績を手書きしたメモから再度システムに転記入力しており、作業工数やミスの削減が課題になっていた。今回、新たにタッチパネルを用いた電子指図システムを導入し、自動的な製造実績入力や製造指示表示が可能となり、担当者の作業工数を大幅に削減するとともにデータの精度を向上。

トレーサビリティについては、これまでフジッコの食品(惣菜)を購入した消費者が、ホームページ上でロット番号を入力することで、その原料まで検索できる仕組みを構築していたが、原料や配合など詳細な情報を蓄積できるようになった。また、これらの情報と入庫伝票や製造指図と紐付けた管理が可能となったことで、トレーサビリティの精度が高まり、製品の安全性を強化できる。

このほか、生産の上流から下流までの情報をトータルに一元管理、管理サイクルを大幅に短縮することで、生産現場での歩留まり・受け払い実績・在庫などをリアルタイムに把握可能となった。これにより、生産現場では原価差異分析による現場改善を、経営レベルでは受注変動や原価削減に向けた意思決定の迅速化を進めることができる。

フジッコでは、鳴尾生産事業部を皮切りに、全工場に新生産管理システムを展開するとともに、今後は購買や販売に関わる基幹業務のプロセス改革と新システムの導入を進め、全社レベルでの改革を加速していく。

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