国際大手エクスプレス・物流企業DHLと中外運空運発展有限公司(中外運)は、DHLの親会社であるドイツポスト・ワールドネット(DPWN)グループが在中合弁会社・金鷹国際貨運代理有限公司の残り株式50%を買収することで正式合意に達した。金鷹国際貨運の全株式買収によって、在中物流チェーン業務におけるDHLの独資経営が実現する。
金鷹国際貨運は1996年5月に設立された中外合弁の国際貨物輸送企業。登録資本金は292万ドル、DHLと中外運の持株比率はそれぞれ50%。DHLは残り株式50%を買収することで、金鷹国際貨運の全株式を保有することになる。今回の株式買戻しは、DPWNグループの中国業務開拓戦略における重要措置となる。外資が全株式を保有する新会社は、DHL物流サービスブランド傘下において金鷹国際貨運とDHLの業務統合を促進し、会社の大規模化発展を推進することを目指す。
DHLアジア太平洋区最高経営責任者(CEO)のPeter Landsiedel氏は、「DHLと中外運は中国物流・エクスプレス業界で相互利益関係を維持してきた。中外運が金鷹国際貨輸の50%株式をDHLに売却することは、戦略的意義を持つといえよう」と話す。
DHLはここ数年、急成長中の中国物流市場に着目、中国における業務の拡大を続けている。同社はこの11月、1億7500万ドルを投資、上海浦東国際空港に北アジア向け拠点の建設をスタートしたばかり。この投資額は現時点で最大規模の対中投資プロジェクトとなっている。(日中経済通信)