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フランドル/RFID活用による2店舗向け物流センター導入事例

2009年03月20日/IT・機器

アパレルメーカー、フランドルは現在、全68店舗中の2店舗向け物流センターでRFIDを導入しICタグを活用した検品・入出荷体制を構築している。

そのデモンストレーションと説明会を、3月18日に千葉・舞浜のエコーセンターで、アイエニウェア・ソリューションズと住金物産が共同して開催した。

同プロジェクトは、アイエニウェア・ソリューションズと住金物産との共同開発事業。2008年度の経済産業省委託事業「IT投資効率性向上のための共通基盤開発プロジェクト」の繊維分野での電子タグ(RFID)実証実験として2008年11月からことし2月にかけて行なわれた。実験期間終了となった現在でも、フランドルは同システムを継続して使用。アイエニウェア・ソリューションズは、本採用のための最終確認で交渉しているところだ。

フランドルの「新宿ルミネエスト店」と「ららぽーと船橋店」への出荷を請け負っている物流センター、エコーセンター(住金物産100%子会社)で導入されているシステム。1日の出荷は10~20箱で、従来は検品を一点一点しており、2店舗の店員は入荷検品で多くの時間を割いていた。これをICタグを活用して物流センターで出荷検品する体制に変更した。出荷指示最終受付時刻は午後4時で、出荷時刻は午後6~8時。配送は佐川急便が請け負っている。

エコーセンターの倉庫管理システム、東芝テックの店舗側システム、ビーエムマークの値札発行システムとのデータ連携を行なうために、ミドルウェアである「RFID Anywhere」が採用されている。同ミドルウェアの機能を利用して、機器の追加や変更があっても、アプリケーションの対応はそのままである仕組みを構築した。

店舗からの発注、フランドル本社の出荷指示、エコーセンターでのピッキング・振り分けは従来のまま変わらない。変更されたのは、これ以降出荷までの作業だ。

まず、ICタグ一体型値札発行が行なわれる。エコーセンター倉庫管理システムで出荷先ごとに、どの品目を何個出荷するかをまとめたリストを印刷。2店舗分に対して作業担当者がICタグ一体型値札の印刷を行う。次は、値札を付け替えが行なわれる。つまり、印刷したICタグと商品に付いている通常の値札の付け替えを行なう。

<値札内に挿入されるICタグ>
20090318RFID1.jpg

以上の一連の作業を出荷指示最終受付時刻まで繰り返す。

今度は、ICタグ出荷検品の実施。ICタグ一体型値札に付け替えられた商品をRFIDリーダライタでスキャンし、納品書の内容と照合させる。梱包する箱にもICタグラベルを貼り付ける。箱に入っている商品を記載した伝票も印刷される。結果的に、1梱包1伝票となるため、これを「1梱1伝」と呼んでいる。

<商品を持ってスキャン。台の上を通過させるだけの作業で済む>
20090318RFID2.jpg

<左がリーダライタ、右がタッチパネルにデータを送るアンテナ的な役割をする機器>
20090318RFID3.jpg

<下が箱ラベル印刷用プリンタ「PX930 RFID TAG PRINTER」>
20090318RFID4.jpg

スキャンの流れは容易で明解。作業台の上で商品を通過させるだけで済む。 平均して一度に5枚程度のスキャンを行なっている。スキャンを行なった商品は箱に詰められる。スキャンした商品に応じて操作用タッチパネル上にカウントアップされる。このとき、出荷予定ではない商品だった場合は、アラート表示される。

箱詰めが終わり、タッチパネル上の「次箱」ボタンを押すと伝票が印刷される。この伝票を箱に入れて閉じる。すべての梱包が完了したら「完了」ボタンを押せば、タッチパネル上で最終確認が行なわれる。以上で出荷検品作業は完了となる。

最後は、店舗側システムへの出荷情報の送信だ。出荷完了のデータは、ミドルウェアで店舗管理システム側が要求するXML文書形式に整形して、夜間に自動的に送信される。店舗側システムは、この情報を利用してICタグによる入荷検品を行なう。

店舗のスタッフの省略化に寄与するため、現場のスタッフにも高い評価を受けており、店舗運営の作業効率の飛躍的な向上に貢献しているという。

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