住友金属鉱山は8月19日、フィリピン最大手のニッケル鉱山会社、ニッケル・アジア・コーポレーション（ナック社）への資本参加を決定し、同社株式の16.5％を約3900万米ドルで取得したと発表した。
重要な戦略的パートナーとしてのナック社との関係を強化するために、資本参加を決定した。
同社は「非鉄メジャークラス入り」を戦略的な目標としている。ニッケル事業では、フィリピン・コーラルベイでHPAL（高圧硫酸浸出）法によるニッケル製錬を世界に先駆けて商業的に成功させ、世界最高水準のニッケル製造技術を実証。これを足がかりに計画中のタガニートHPALプロジェクトの推進や新居浜ニッケル工場拡張など、積極的な事業展開を行い、非鉄メジャークラス入りを狙う考えだ。
ナック社は世界有数のニッケル資源国であるフィリピンで、最大規模のニッケル鉱石生産を行う鉱山会社。2006年2月に、それまで個別に経営されていたZamoraグループ傘下のニッケル鉱山会社の資本を統合し、経営資源を集中させることにより、経営の効率化を実現するために設立された。
ナック社傘下には、住友金属鉱山がフィリピンで操業するコーラルベイ・ニッケルへの鉱石供給を行うリオツバ・ニッケル・マイニングもあり、同社とナック社は事業上緊密な関係を持っている。同社がフィージビリティスタディを行っているタガニートHPAL（高圧硫酸浸出）プロジェクトでも、ナック社傘下のタガニート・マイニング社が鉱石を供給することを計画している。
