帝国データバンクによると2008年10日9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請したニューシティ・レジデンス投資法人（出資総額909億3160万1400円、港区六本木 1-10-6、代表新井潤氏）は、10月13日に東京地裁へ民事再生法の適用を再度申請した。
ニューシティ・レジデンスは、9月9日に東京地裁から再生手続き廃止決定を受けていた。
2004年9月に、米国大手不動産会社シービー・リチャード・エリスのグループ会社であるシービー・リチャード・エリス・インベスターズなどが、日本での不動産投資信託事業を目的に設立した不動産投資法人。東京都やその近郊の賃貸マンションに特化した不動産投資を行い、シービーアールーイー・レジデンシャル・マネジメントに運用を委託。
2004年12月に東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場した。2007年8月期には賃貸マンション5779戸で運用を開始した。11物件を取得する一方、1物件を売却、期末時点の取得資産合計は104物件、1819億円。上場時の約3倍まで成長し、収入高約57億3010万円（6か月決算）を計上していた。
サブプライム問題に端を発した金融市場の混乱や信用収縮などで不動産業界が影響を受け、同社も新規融資や市場からの調達や保有資産の売却が思うように進まなくなっていた。今月末までに取得予定資産の決済資金と借入金の返済資金の調達に支障をきたす事態となっていたことで、2008年10日9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた。
ことし4月7日にはローン・スターや同社グループ会社とスポンサー契約を締結、再生計画案を提出していた。7月15日に開催した債権者集会で同案が否決されたことで、続行期日を9月9日として再決議されたが否決された。このため、同日付で再生手続き廃止決定を受けていた。
この間、大和ハウス工業と同社系列のビ・ライフ投資法人が新たなスポンサーとなるほか、ビ・ライフ投資法人と同法人が合併する基本合意書を締結。新スポンサーによる支援を前提とする再生計画案に基づき、多数の債権者の賛同を得ることができたため、再度の申し立てとなった。
負債は約1088億5500万円（2009年2月末時点）。
