LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

JR貨物リサーチセンター/東海道物流新幹線構想を提言

2009年12月07日/CSR

JR貨物リサーチセンターは12月7日、東海道物流新幹線構想を発表した。

東海道物流新幹線(ハイウェイトレイン)は、新東名・新名神高速道路の中央分離帯や既着工の使用未確定車線などを最大限活用し、物流の大動脈である東海道ルート(東京~大阪間)に物流専用鉄軌道の開設を目指す構想で、東海道物流新幹線構想委員会が取りまとめた。

道路と鉄道、両者の利点を生かし、鉄道の特性(大量・定時性、低環境負荷・省エネルギー等)をベースに、トラックの特性(機動性、利便性)を取り入れた、「環境にやさしい、利用者のニーズに対応できる新しい幹線物流システム」を構築する。

構想では、貨物専用・軌道系システムの導入し、自動運転、無人運転のシステムで、複線電化(第三軌条集電方式)で行うもので、運行距離は約600km、平均時速90~100kmで、東京・大阪間を6時間30分で運行する。

ターミナルは東京、名古屋、大阪のほか数か所で、JRの在来線と同じ狭軌を採用し、5両1ユニットを複数連結して、1編成最大25両程度輸送需要によりフレキシブルに対応する。

駆動方式は動力分散駆動を基本に、急勾配区間はリニアモータ駆動も採用し、三大都市圏相互間で、1日約20万トンの輸送量を想定し、積載貨物はコンテナ(45フィートから20フィート)方式とトラック輸送方式。

構想による主なメリットは、年間軽油使用量が約18億リットル削減できると見込んでおり、CO2が約300万トン削減できる。

さらに、トラックドライバーの人手不足解消とドライバー1人当たりの年間平均残業時間:約30時間が削減できるとともに、大型車の事故の減少、乗用車ドライバーの安心感が増大するとみている。

実現に向けては技術的課題や政策的課題の解決は不可避であり、国の主導なくして実現は困難であるとしている。

構想委員会では、構想の必要性、コンセプト、期待される効果、課題を取りまとめ、一定の役割を果たしたと言えるが、今後は、課題の解決に向けて関係者(政界、官界、学会、産業界、マスコミ~国民)が一致協力して取り組む必要があるという。

東海道物流新幹線構想委員会
委員長:中村英夫/東京都市大学学長・東京大学名誉教授
副委員長:横島庄治/特定非営利活動法人環境システム研究会理事長
委員:
井口雅一/東京大学名誉教授
枝廣淳子/イーズ代表取締役・環境ジャーナリスト
岡部正彦前/日本物流団体連合会会長
金田好生/ジェイア-ルエフグループ経営者連合会会長
杉山雅洋/早稲田大学商学学術院教授
星野良三/東京都トラック協会会長
松尾稔/元名古屋大学総長・名古屋大学名誉教授
三村光代/日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会最高顧問

関連記事

CSRに関する最新ニュース

最新ニュース