イヌイ倉庫が10月8日に発表した2011年3月期通期業績予想修正によると、売上高は86億6700万円（増減なし）、営業利益6億500万円（増減なし）、経常利益3億7000万円（増減なし）、当期損失4000万円（前回予想比1億1600万円の当期損失）となる見通しだ。
第3四半期会計期間において、訴訟の和解解決金を特別利益に計上したため、当期損益の上方修正を行った。
同社は、神戸みなと倉庫（神戸市灘区）に関し、信託受益権譲渡契約の買主であるローズヒップ・リアルティ合同会社に対して、違約金22億円等の支払いを求めて訴訟提起した。
訴訟は、2009年5月28日付で東京地方裁判所から勝訴判決を得たが、違約金の支払いは履行されてない。財産開示手続を行ったところ、同社からの違約金の回収は事実上不可能であると判断した。
このため、同社は、ローズヒップ社を組成し、同社のアセットマネージャーでもあるAIGグローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インク（AIG GRE）に対し、同契約に基づく違約金等請求の支払いを求め、2009年8月18日に東京地方裁判所に訴えを提起した。
AIG GREとの間で、神戸みなと倉庫にかかる一連の事案につき和解がまとまったため、訴訟上の和解が成立した。
