国土交通省は3月12日、「民間の施設・ノウハウを活用した災害に強い物流システムの構築に関する協議会」を設置し、民間物資拠点のリストアップや官民の協力協定の締結・拡充の促進等の取組を実施したと発表した。
今年度は、東北地域で、新たに協議会を立ち上げ、震災時に支援物資物流に直接携わった関係者の経験を基にし、全国に展開すべき知見を整理するとともに、昨年度から取組を進めている4ブロックに対応する地域では、引き続き協議会を開催。
各地域で想定される大規模な災害の被害想定等を基にして、支援物資物流に関するシステムの検証等を実施したほか、民間物資拠点のリストアップを全国で実施する等の取組を進めてきた。
取組のポイントでは、東北地域で「広域的な物資拠点の開設の考え方と手順の明確化 」「物流事業者の参画を確保するための協力協定のひな型を提示、事前取り決め事項を整理」「支援物資の送り手側のルールを提案」「滞留物資への対処方法を提示 」「在庫情報管理システムの作成と品目分類の標準化」「全国的に活用可能な資料や各種フォーマットの共有」を挙げている。
関東、中部、近畿、中国、四国、九州地域では、支援物資物流システムの検証で、「物資拠点全体の規模等を検証」「避難所までの配送を含めた支援物資物流全体の問題点の検証」「自治体と連携した訓練等の実施」を挙げている。
民間物資拠点のリストアップの拡充では、昨年度は、4ブロック（関東、東海、近畿、中四国・九州）で395か所の民間物資拠点をリストアップしたが、今年度は、同様の取組を全国で実施し、新たに539か所をリストアップした。この結果、リストアップされている民間物資拠点は全国で934か所となった。
官民の協力協定の締結促進では、各都道府県と物流事業者との間での災害発生時の協力協定の締結を促進し、昨年度末の時点から「輸送協定（トラｯク協会）」が42件から45件に増え、1件が協議中、「保管協定（倉庫協会）」が9件から14件に増え、16件が協議中、「専門家派遣協定（トラｯク協会・倉庫協会）」が21件29件に増え、20件が締結に向け協議中だ。
