日本郵船は11月16日、NYKグループのMTI、ジャパンエンジンコーポレーション（J-ENG）と共同で取り組んでいる舶用エンジンの安全性向上とメンテナンス時期の最適化の実現に向けた研究の進捗について発表した。
研究は、運航ビッグデータを活用し、メーカーとユーザーの協力により、安全性・経済性のさらなる追求を目的として、2016年12月に開始した。
これまでの約1年間では、NYKとMTIが共同開発した船舶のパフォーマンスマネージメントシステムSIMS2によって収集・蓄積している運航ビッグデータをエンジンメーカーであるJ-ENGと共有し、監視・解析することで、重大な主機損傷に繋がる可能性がある不具合を、より早期の段階で発見し、この研究がさらなる安全運航につながることを確認した。
今後は、NYKとMTIが独自に開発した事故の予兆検知と早期発見のための仕組みに、エンジンの開発・製造・アフターサービスを一貫体制で取り組むJ-ENGが持つノウハウを取り入れることで、さらに高度な事故防止システムの開発に取り組むとしている。
また、NYKグループが従来から実施しているビッグデータを活用した主機の状態診断にJ-ENGの技術ノウハウを取り入れることで、その精度を高め、従来の使用時間に基づいた整備（Time Based Maintenance）から、状態に基づいた合理的な保守メンテナンス（Condition Based Maintenance）の実現を目指す。
