LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





EU/輸入管理システム2フェーズ2へ、対象貨物と報告要件拡大

2023年03月09日/国際

  • 関連キーワード
  • 欧州

欧州連合(EU)は3月9日、新しい税関到着前セキュリティ・安全プログラム「輸入管理システム2(ICS2)」の第2段階(フェーズ2)を、3月1日から開始したと発表した。同システムは、新たな事前貨物情報およびリスク管理プラットフォーム。セキュリティや安全性に関して、EU域内に輸送される貨物がもたらす脅威から保護するもの。

これにより、3月1日からEU1を仕向地とする、あるいはEUを経由する貨物の空輸に関与するすべての航空会社、貨物運送業者、速達便運送業者、および郵便物取扱業者は、貨物がEU域外国境に到着する前に、「搬入略式申告(ENS: Entry Summary Declaration)」を行い、求められるすべての貨物情報を提出する必要がある。

ENSは、2021年から2024年にかけてEUの既存の「輸入管理システム(ICS)」から徐々に切り替えられている新システム ICS2上での提出が義務付けられている。現在、事前貨物情報をICSで提出している航空運送業者は、ICS2上でデータ記入を開始すると同時に、従来のICSからの移行が完了する。

ICS2のフェーズ2では、第三国からEU域内に貨物を輸送する前、および貨物がEU域外国境に到着する前に遵守すべきデータ要件とプロセスが新たに導入された。これに関連する事業者が、顧客から必要なデータの取得、もしくはICS2への当該データの提出を怠った場合、税関当局は、EU域外国境への到着前および到着時点で、遵守を強制する措置を取ることとなる。

事業者がICS2に対応する準備が整っていない場合は、所定の移行期間中に、ICS2への申告開始を要請する必要がある。これは、事前貨物情報の提出に使用される事業者の EORI2番号が登録されている加盟国を通じて行わなくてはならない。移行期間を設けることで、許可が下りた場合に、事業者は、2023年3月1日以降にICS2フェーズ2への移行に向けて準備が可能となる。

ただし、フェーズ1からフェーズ2への円滑な移行を実現し、貿易業務を容易化するため、各ビジネスモデルに適用される移行期間と、事業形態毎のICS2フェーズ2への移行順序は、関連する移行戦略に定義されているとおり、すべての加盟国にわたり統一される。加盟国は、2023年10月2日まで移行期間を許可することができる。なお事業者が定められた期限までに準備が整わず、ICS2で要求されるデータを提出しなかった場合、積荷と貨物はEU域外国境で止められ、対象貨物の通関は税関当局によって拒否される。

フェーズ2における重要な変更点に関する詳細に関しては、欧州委員会のウェブサイト(英語)を参照。
■詳細
https://taxation-customs.ec.europa.eu/customs-4/customs-security/import-control-system-2-ics2-0/import-control-system-2-release-2_en

関連記事

国際に関する最新ニュース

最新ニュース