日立金属(株)と東洋化学(株)は、反射波による電波障害を大幅に低減する高度道路交通システム用電波吸収体を共同開発した。
高度道路交通システム(ITS)の利用現場では、自ら発信する電波が周辺物に反射し、その反射波によって通信が妨害されるため、周辺物を電波吸収体でおおわなければならないし、外観上では周辺の住環境にも配慮する必要がある。
そのため現状の電波吸収体と比較して、広い角度で入ってくる電波でもより高率で吸収し、かつ見た目にも優しいデザイン性に優れた電波吸収体が求められていた。
日立金属と東洋化学は、日立金属のもつ磁性材料技術、電波吸収体の設計・評価技術と、東洋化学のもつポリマー技術、高品質プロセス技術を融合し、高性能で使いやすい電波吸収体を共同開発した。
異なる種類の電波吸収材料を積層した積層ハイブリッド構造の採用により、広入射角の電波に対しても高い吸収性能をもち、さらに耐候性アクリル樹脂の採用により、信頼性、施工性、デザイン性、および量産性にも優れている。
既に、ETC用として十数ヶ所の料金所で採用され、好評を得ている。
特長
(1) 広い入射角でも高性能である:入射角80度の円偏波で20dB/典型値。
(2) 施工性がよい:曲面のような非定型の壁面にも施工可能。
(3) 耐候性(褪色性)、デザイン性、美観に優れる。
(4) 信頼性が高い:部分破損による吸収性能の劣化が極めて少ない。
(5) 幅広・長尺品の製造が可能である。
(6) 燃えにくい:シート単体の難燃性はUL規格のV-0(最高レベル)対応。
(7) 不燃性の保持構造体と複合化した電波吸収パネルも用意できる。
特許
出願特許:国内15件
生産能力:1万平方メートル/月
販売計画
2002年度 サンプル対応
2003年度 2億円/年
2004年度 6億円/年
2005年度 20億円/年
2008年度 50億円/年
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日立金属、東洋化学/ITS用に画期的な電波吸収体を開発
2002年04月18日/未分類
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