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新日本製鐵/新SCMシステム、トヨタ自動車向けに稼動開始

2002年06月03日/未分類

新日本製鐵(株)は、自動車鋼板分野において、発注から納入までの一貫したサプライチェーンマネジメント(SCM)システムを開発し、トヨタ自動車(株)向けに運用を開始した。
新日鉄は、一昨年来、トヨタ自動車、豊田通商、豊田スチールセンターの協力を受け、開発を進めてきたが、4月末よりその第1期システムがトヨタ自動車内製工場材を対象に導入された。また、今秋には第2期システムが立ちあがり、さらに機能を充実させる。
現在、自動車鋼板マーケットにおいては、ジャストインタイムデリバリーが行われているが、今後一層、需要家に対し、納入リードタイムの短縮や、メーカー・ユーザーにおける在庫圧縮等、多様な面でコスト競争力を向上させていく必要がある。
また、自動車メーカーのグローバル化、モジュール化等々、様々の変化が想定される中、鉄鋼メーカーとしてもマーケット構造の変化に柔軟に適応しうる仕組みを構築することが不可欠となっており、今回のシステムは、これら変化への対応の基盤ともなるもの。
サプライチェーン管理のためには、1.需要家・商社の注文情報・使用予定情報・納入依頼情報、2.コイルセンター・中継地・製鉄所の在庫・仕掛情報を総合して生産・物流計画作成に反映する必要があるが、従来の仕組みでは、情報によってはシステムが分断されており、流通との間でFAX・電話・メール等による非効率な情報授受業務が並存していた。
今回導入したシステム(第1期)では、製鉄所における鋼材(「母材」)と、コイルセンター等での加工資材(フープ材、切り板等)に関する注文・生産進度・品質等情報等をリアルタイムに近い頻度で一元管理することが可能となった。同時に社内外の関係部所はWeb画面等を通じ、これらの情報を必要な範囲で参照・入力できる。
この情報一元管理システムは、自動車鋼板マーケットにおいて初めての試み。
自動車用鋼板には、製鉄所から自動車メーカーや部品メーカーに直接コイル状態で納入されるものと、コイル(母材)がコイルセンターにてフープ材や切り板等に加工されて納入されるものとがある。
また、第1期の情報一元管理システムを基盤に今秋構築される第2期システムでは、加工資材から母材まで大量かつ日々変動する情報に対し、最適化シミュレーションが実行され、一貫での最適な製造・加工・出荷計画が策定・実行されることになる。
例えば、複数の加工資材レベルでの必要数量提示に対し、最適化シミュレーションを実行することで、複数種類の候補母材に対し最適な引当てが選択され、その結果、最適な製造・加工・出荷を指示することが可能となる。
これにより、無駄な母材の製造回避、資材加工時の余材削減、緊急業務の減による製鉄所やコイルセンターの生産性向上・業務効率化等を図ることができる。
この第2期システムについても同マーケットにおいて初めての試み。
第1期・第2期のシステム導入により、管理コスト削減、在庫圧縮、加工コスト削減、輸送コスト削減、さらには現在頻繁に発生している様々な緊急例外業務の削減が期待される。
第2期システムの完成後、新日鉄は、トヨタ自動車内製工場以外の需要家に対しても、同様のシステム開発を図り、ユーザーの要望に応えていく。
なお、今回のシステム開発では、情報一元管理基盤の構築、最適化シミュレーションシステムの研究開発、B2BIパッケージやSRMパッケージの導入、業務効率化のためのワークフローツールの適用といった一連のシステムエンジニアリングを、新日鉄ソリューションズ(株)が担当している。
B2BI:=B2Bインターフェース。企業間に存在するアプリケーションを統合する技術。
この技術を利用することで、既存のアプリケーションやデータ構造を変更せず、短工期での企業間システム連携が実現できる。パッケージソフトはウェブメソッド社 webMethods B2Biを利用。
SRM:: Supplier Relationship Management=部品材料の供給者(サプライヤー)とメーカー間の協力によって調達プロセスの最適化を図るビジネス戦略。パッケージソフトはi2社 TCPを利用

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