ＮＥＣ、ビューロシティ／「ＳＣＥＭソリューション」分野における戦略的提携

日本電気（株）（以下：ＮＥＣ)およびビューロシティ・ジャパン（株）は、物流会社・製造会社・卸などバリューチェーンを構成する各企業における受発注・出荷・在庫情報などの統合的な管理を実現する「サプライチェーン・イベント・マネジメント(ＳＣＥＭ)」分野において戦略的な提携関係を確立しました。
提携は、企業間で製品設計・部品製造・製品組立・製品販売・流通などのビジネス連携を図ることで、各企業の競争力強化と新たな企業価値創出を可能とする「バリューチェーン・コラボレーション」の実現を推進するもの。
主な内容。
・「ＳＣＥＭソリューション」の共同開発
ビューロシティのＳＣＥＭアプリケーションツール「Supply Web Applications(サプライウェブ・アプリケーションズ)」およびＥＡＩツール「TradeSync Integration Broker(トレードシンク　インテグレーション　ブローカー)」をベースに、ＮＥＣのＳＩサービスを組み合わせた「ＳＣＥＭソリューション」を共同で開発する。
ＮＥＣは、同ソリューションを企業間連携ソリューション体系「iBestSolutions/VC Collaboration」のひとつに位置付けて提供する。「ＳＣＥＭソリューション」の提供価格は５０００万円からで、ＮＥＣでは今後３年間で６０システムの販売を見込んでいる。
「ＳＣＥＭソリューション」を活用することにより、需要予測・受発注・出荷・輸送の発生と変更・在庫状況などをイベントとして統合的に管理するシステムを２～３ヶ月の短期間で導入することができる。
バリューチェーンごとのビジネスルールに応じてイベントの識別や警告の通知を自動的に行なうことで、生産調整・輸送ロット最適化・リードタイムの短縮・在庫削減などの業務の効率化を図ることが可能となり、ＲＯＡ(総資産利益率)やＲＯＩ(投資利益率)の向上などを含め、システム導入前に比べて約３０～４０％の業務改善効果を実現することができる。
また、「ＳＣＥＭソリューション」の共同開発にあたっては、ＮＥＣロジスティクス（株）の「グローバルロジスティクス」システムに、ＮＥＣが「Supply Web Applications」を導入したノウハウを活用している。
同システムは本年４月から順次稼動を開始しており、導入決定から１.５ヶ月の短期間構築を実現している。
・マーケティング活動やサポートの共同展開
日本国内における「ＳＣＥＭ」市場の早期立ち上げや拡大を実現するため、共同セミナーの開催や展示会での協力、共同広告の実施など、マーケティング活動や販売推進活動を共同で展開する。
また、ユーザ企業に対する保守サポートや問い合わせ対応、「Supply Web Applications」の追加機能の提供・導入などのサポート提供を両社共同で行なう。
・両社製品の連携・強化の共同推進を検討
単品管理を中心に店舗における情報を分析することで需要予測を行なうＮＥＣのソリューション体系「iBestSolutions/DemandChainManagement」と、バリューチェーン全体のイベントを統合的に管理するビューロシティのソリューションの連携を検討する。
また、「ＳＣＥＭソリューション」について、大手総合商社向けのシステムテンプレート(ひな型)や、日本の取引慣行にみられる多重化したビジネスプロセスなどをふまえた各業種向けのシステムテンプレートなどの共同開発を目指す。
近年、企業間競争の激化にともない、環境変化に迅速に対応する経営の実現とともに、自社のみならずバリューチェーンを構成する他社と商品やサービスの開発・販売などに関する情報を交換・共有することで、顧客に対する高付加価値なサービスの提供や競争力強化の実現を求める声が高まっている。
ＮＥＣおよびビューロシティでは、こうしたニーズに応える「バリューチェーン・コラボレーション」の実現を推進するため、提携することとした。