日本鋼管(株)のNKKいちいち基礎工法とCFT造(鋼管コンクリート造)を併用した構造形式が、江坂運輸(株)(兵庫県西宮市)向け、鳴尾浜新物流センター建設工事において、初めて採用された。
同センターは重量物倉庫で、CFT造、地上6階建、敷地面積4 980㎡、建築面積2 878㎡、延べ面積14 673㎡の食品保管用の常温および冷凍倉庫。
NKKいちいち基礎工法はRC(鉄筋コンクリート)基礎を無くして、鉄骨柱と内面リブ付鋼管コンクリート杭(NKTB杭)を直接接続することにより荷重伝達を行う工法であり、またRC基礎梁の代わりにS造(鉄骨造)基礎梁を用いている。
この構造によるメリット。
・鉄骨柱を杭頭部に直接埋め込むことにより、基礎接合部の構造が単純となり、上部構造に発生する力をスムーズに伝達できる。
・柱・杭・基礎梁に鉄骨を使用することにより、靭性に優れた一体化構造が実現し、耐震信頼性が向上する。
・杭と建物の一体解析を行うことにより、柱・杭・基礎梁の最適設計が可能となる。
・従来工法で必要であったRC基礎が不要で、躯体数量削減や掘削土量低減が可能となり、土工事・基礎工事費が10%程度低減できる。
・掘削土量低減による建設排土減や、基礎不要による型枠削減等が可能となり、地球環境にやさしい工法が実現できる。
・鉄骨柱と充填コンクリートの相乗効果により、靭性に富み、地震に対する抵抗力の大きい構造形式が実現できる。
・一般的なS造に比べて柱サイズが10~20%程度小さくなり、倉庫内スペースを広く使うことが可能となる。
・鉄骨柱内に充填されたコンクリートの効果により、優れた耐火性能を発揮するため、倉庫内柱を無耐火被覆にすることが可能となる。
・耐火被覆の剥離や脱落および粉塵浮遊の心配がなくなり、倉庫内環境がクリーンとなる。
・鉄骨柱の耐火被覆工事が減となり、コスト削減および工期短縮に繋がる。
今回採用された構造形式により、これまで問題とされてきた、RC基礎採用による耐震信頼性、柱の高軸力状態に対応するための一定部材サイズの確保および柱サイズの影響による有効作業スペースの問題、耐火被覆の剥離による倉庫内製品への悪影響等、諸問題の解決が可能となる。
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NKK/重量物倉庫に「いちいち基礎工法、CFT造」併用した構造形式初採用
2002年09月29日/未分類
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