川崎汽船／船舶運航診断システムの稼動開始

川崎汽船(株)は、グループの管理船舶にABLOG解析システムと機関プラント監視・解析システムを導入し、運用を開始した。
これらのシステムは、航海中の船舶の航海日誌や機関プラントのデータなどを、通信コスト低減のために短波および通信衛星を使い分けてインターネット・データセンター（iDC）に蓄積し、陸上でインターネットを通じて船舶の運航・管理を効率的に行うことを可能にするもの。
同社グループは、これらのシステム導入により一層の業務効率化とペーパーレスを進め、経営方針の柱の一つに位置付けている安全運航の徹底と環境保全への取組み強化を推進する。　
システムの概要
ABLOG解析システム：乗組員が船上でパソコンにより入力した航海日誌を、iDCに蓄積されたデータとしてオペレーターおよび船主・船舶管理会社が閲覧し、運航状況の把握に役立てるもので、すでに同社運航の外航船舶約１３０隻において本格的な運用が行われている。
機関プラント監視・解析システム：航海中の船舶の様々なデータを自動送信し、陸上においてもリアルタイムに監視することを可能にしている。さらに性能解析プログラムと組み合わせることにより、機関管理を効率的に行うもの。
約１年にわたり当社の外航船舶１１隻に搭載して試験運用を実施し、事故予防に非常に役立つことを確認。年内にさらに約３０隻の外航船舶に順次搭載を進める予定で、予備品管理 、機関プラント診断、保守管理などの機能拡張を計画している。
これらのシステムは、同社が蓄積してきた船舶の運航・管理のノウハウをベースに、川重テクノサービス(株)が、(株)川崎造船と共同開発したもの。