LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

経済産業省/石油化学製品の物流及び物流を巡る商慣行に関する調査結果

2002年12月22日/未分類

経済産業省は、主要石油化学製品(樹脂、化成品、合成ゴム)の物流費(平成13年度)及び四大樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)の物流に係る商慣行について、石油化学工業協会加盟32社(子会社を含む)を対象に調査を行った(四大樹脂の商慣行調査は18社を対象)。
なお、主要石油化学製品の詳細については以下のとおり。
樹脂:低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン(4品目)
化成品:ベンゼン、トルエン、キシレン、パラキシレン、スチレンモノマー、フェノール、アセトン、ブタノール、エチレングリコール、アクリロニトリル、酢酸、アセトアルデヒド(12品目)
合成ゴム:ソリッド、ラテックス(2品目)
物流費
(1)主要石油化学製品全体
平成13年度の主要石油化学製品の物流費の総額は、1 450億円(対前年度比8.0%減)であった。
内訳としては、販売物流費1 044億円、工場物流費403億円、調達物流費3億円となっている。前年度と比較すると、物流合理化によるコスト削減で▲35億円、物流料金改定による単価ダウンで▲19億円だったことに加えて、物流費を伴う販売量の減少により、総額としては▲126億円となった。
また、売上高に対する物流費比率は、化成品では僅かながら減少したものの、樹脂及び合成ゴムでは微増したことにより、調査対象製品の平成13年度売上高(16,415億円)に占める物流費の割合は8.8%と前年度と比較すると0.1ポイント上昇した。
(2)樹脂
物流費総額は1 028億円で、前年度と比較すると、直送効率アップ・工場物流費の改善等による物流合理化(▲30億円)や物流料金改定(▲14億円)によるコスト低減が図られたことによるほか、販売数量の減少(▲36億円)等総額で85億円の減少(対前年度比▲7.7%)となった。
販売数量は667万トン(対前年度比▲5.7%)と減少し、トン当たりの物流費も減少(▲2.1%)している。なお、売上高に占める物流費比率は前年度と比較して0.2ポイント上昇して12.8%となった。
(3)化成品
物流費総額は212億円で、前年度と比較すると、輸送の効率化等の物流合理化(▲3億円)、物流料金改定による単価ダウン(▲3億円)等によるほか、生産減による海外品調達物流費減と販売数量の減少(▲38億円)等総額で37億円の減少(対前年度比▲14.8%)となった。
販売数量は460万トン(対前年度比▲10.1%)と減少し、トン当たりの物流費も減少(▲5.3%)している。なお、売上高に占める物流費比率は前年度と比較して0.1ポイント減少
して3.5%となった。
(4)合成ゴム
物流費総額は、210億円で、前年度と比較すると、拠点廃止による直送化等の物流合理化(▲2億円)、物流料金改定による単価ダウン(▲1億円)、販売数量の減少(▲8億円)のほか、包装費・作業の外注化等による工場物流費の増加により総額で5億円の減少(対前年度比▲2.2%)となった。
また、販売数量は128万トン(対前年度比▲9.1%)と減少したものの、トン当たりの物流費は増加(7.6%)している。なお、売上高に占める物流費比率は前年度と比較して0.4ポイントアップして8.8%となった。
四大樹脂の物流に係る商慣行
(1)小口多頻度納入
一件当たりの納入件数が1トンに満たない小口納入件数を樹脂別に見ると、件数比で高密度ポリエチレン及びポリプロピレンでは増加、低密度ポリエチレン及びポリスチレンは前年並みであり、全納入件数に占める割合は27.1%と対前年比0.4ポイントの増加となった。
同一ユーザーに対し月4回以上配送する多頻度納入は、対総出荷件数比で73.0%(前回調査73.5%)と横這いであるが、4トン未満の小口多頻度納入については一部の樹脂に改善が見られた。今後も顧客への納期集約の協力要請や他製品との積合わせによる納入回数削減等の改善策を継続して行う必要がある。
(2)標準外オーダー
「出荷日前日の12時」までの標準的なオーダーは、件数比で82.4%(前回調査83.5%)と悪化したが、数量比では85.4%(前回調査85.6%)と変わりがなかった。
上記以外は「標準外オーダー」で、このうち、配車組み替えや緊急配車等が必要となり、特に物流コストの増加要因につながる「出荷日前日の15時以降及び当日」のオーダーが件数べースで7.5%(前回調査7.2%)と微増した。
(3)納入時の制約要件
全納入件数に対して、何らかの制約条件を伴う納入は、全ての樹脂で改善された結果、44.5%(前回調査45.7%)となっており、1.2ポイント減少している。
制約条件を個別に見ると、時間指定が全体の約半数を占め、以下、荷役作業等特別注文、車種指定、看板納入の順となっている。
(4)特殊取引に係る増加コスト試算
以上のような「特殊取引」に伴う増加コストを試算したところ、四大樹脂全体で、年間約89億円(前回調査約93億円)に上り、国内樹脂販売物流費総額616億円の14.4%相当となっている。
4.今後に向けて
平成13年度は、樹脂、化成品、合成ゴムのすべてにおいて販売量及び売上高が減少しており、それに伴い物流費も減少したが、物流費の減少率が追いつかず、売上高に対する物流費の比率は前回調査から微増している。
また、最近では、各社における物流拠点の廃止や輸送効率化等の物流合理化による費用削減効果が縮小してきている反面、物流業務の一部外注化による工場物流費の増加も見られ、各社のコスト削減努力が直ちには実を結ばない結果となっているが、物流コスト増加の要因を究明・分析しながら、継続して取り組んでいくことが望まれる。
四大樹脂の物流に係る商慣行については、全納入件数、全納入数量とも減少している中で、「小口納入」、「受注時期」については、総体的に前年並み又は僅かながら悪化する結果となったが、「制約条件」については改善が見られた。
これら特殊取引に伴う増加コストは輸送コストを引き上げる要因となっており、引き続き、改善努力や顧客への協力要請等に取り組んでいく必要がある。

関連記事

未分類に関する最新ニュース

最新ニュース