丸紅(株)は、独インフィニオンテクノロジーズ社から非接触ICタグ用チップ「SRF55Vシリーズ」(ブランド名:my-d(マイディー))の日本における独占販売権を取得、事業会社のマイティカード(株)を販売窓口として、物品管理用非接触ICタグの国内販売を本格的に開始した。3年後に50億円の売り上げを見込んでいる。
非接触ICタグは、2001年に近傍型非接触ICカードの国際標準化規格となるISO 15693が制定され、最大70cm程度の読取距離が可能になった。
技術の国際標準化が進むにつれ、世界的に様々な市場で物品管理用非接触ICタグの実導入が加速度的に進むことが予想されている。
また国内でも昨年9月に電波法の改正により高出力が可能となったことで、読取距離が従来の20cm程度から70cm程度と大幅に伸び、物流、物品管理用途での利用が今後進むものと思われる。
丸紅では非接触ICタグが図書管理、アパレル管理、FA管理、リサイクル品管理などSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)が必要とされる分野での物品管理に活用されて行くものと判断し、マイティカードを通じてこの市場に本格的に参入する。
マイティカードは様々な企業へ導入のアプローチ・コンサルティングを行なう他、非接触ICチップ及びタグ、リーダライタの販売から導入コンサルティング、システムデザイン・開発、既存システムとの統合、システム運用支援まで行なうRFIDソリューション・プロバイダーとして、非接触IC業界での確固たる地位の確立を目指す。
非接触ICタグの市場及び技術的優位性
インフィニオンは、すでに欧州で物品管理向けにmy-dを販売しており、ドイツ、ベルギー、オーストリアなどで10ヵ所の公共図書館に導入されている。
またmy-d を利用してBSE対策のための家畜管理に係る実証実験も行われている。今回丸紅・マイティカードが展開するmy-dについては、国内ですでにカンバンシステム・宝飾品管理・図書館管理・入退出管理などの分野で採用が決まっている。
非接触を使ったICカードカンバンシステムは、従来の印刷によるカンバンでは限界のあったデータ容量の問題、書込みが出来ないこと、カンバンが汚れた際にデータの読取が困難になることなどの諸問題を解決する他、my-dを使った社員証システムとひも付けることにより、社員がいつ、どのパーツを利用してどれだけの製品を組み立てたか、などの履歴を瞬時にデータベース化することも可能にし、業務の更なる効率化が実現できる。
my-dの特徴及び優位性
my-dは、メモリー構造がフレキシブルに設定されており、メモリーを複数の管理者がシェアして利用出来ることから、SCMの環境下で物品管理に用いることを目的として開発された非接触ICタグ用チップ。
my-dの主な特徴
・ISO15693の通信プロトコルに完全準拠している。
・メモリー容量が豊富であること(320バイトと1 280バイトの2種類)
・インフィニオンの最新技術の0.25mμのプロセスルールで設計した8インチウェーハ-にて 1mm角の大きさのチップを実現していることより既存のものと比較し安価にて提供出来る。
・セキュリティー版のチップは、64ビットの暗号キーをかけリーダーとタグとの間にて総合認証が必要であることからセキュリティー性が非常に高い。
・丸紅が出資している豪州マゼラン社が特許を有する「周波数ホッピング技術」の採用により、1秒間に100枚の同時読取りが可能という機能をオプションとして備えている。
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丸紅/物品管理用非接触ICタグ国内販売
2003年01月12日/未分類
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