沖電気工業(株)は、ITSで用いられるDSRC(狭域無線通信方式)を利用し、静止画像を車から車へ瞬時に伝送する「写々間通信システム」を開発した。
実証実験において、携帯電話で送信できる35万画素と同等の静止画を3秒以内に走行車両間で伝送することに成功し、実用化への目処をつけた。
今後、システムの小型化やユーザインタフェースの向上を図り、2004年度中の商品化をめざす。
今回、発表する「写々間通信システム」は、車に設置されているCCDカメラで撮影した静止画像をJPEG形式でファイル化し、無線通信を利用して半径数百メートルのエリアにいる複数の周辺走行車両に対して同時送信する。
DSRCシステムを採用し、走行車両間を車群とするアドホックネットワークにおいて通信品質の保障に必要なメディアアクセス制御(以下MAC)技術を開発した。
本技術により、1対1だけでなく、同時に複数の走行車両への送信が可能な1対N通信を実現。DSRCを用いることで、ブルートゥース等を利用した場合に数十メートル程度と限られていた通信エリアが数百メートルに広がり、より広い範囲での通信が可能となる。
伝送された画像は、周辺走行車両の送受信アンテナを経由してカーナビゲーションシステム等に表示できる。同システムは、基地局などの通信インフラが不要な車と車との通信(車々間通信)システムを利用するため、有線ネットワーク上のルータ等で発生する処理遅延がなく、即時にデータの送受信が可能。
現在、カメラ付き携帯電話にて送信できる35万画素の静止画(640x480ピクセル)を伝送する場合、本システムでは3秒以内に実現することができ、携帯電話に比べて伝送時間が半分以下になり、インフラを利用しないので通信コストが不要となり、安価に静止画を送信できるシステムとなっている。
同システムを利用することにより、災害や事故、渋滞状況等を撮影して周辺の車に伝えるなど、自動車の安全走行を支援することが可能となり、仲間同士でドライブする際には、コミュニケーションツールとして利用することで、車内の快適な移動空間が実現できる。
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沖電気工業/移動体間の画像伝送を実現する「写々間通信システム」開発
2003年02月06日/未分類
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