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福山通運/平成15年3月期の経営成績と次期見通し

2003年05月29日/未分類

福山通運(株)の平成15年3月期の経営成績と次期見通しは下記の通り。
経営成績
当期の概況
当期におけるわが国経済は、アジア向けを中心とした輸出の急激な回復に支えられ、当初は底入れ感が見られましたが、その後米国景気の減速の影響を受け、好調であった輸出の伸びは鈍化し、併せて雇用の悪化や設備投資抑制傾向が深刻化の様相を呈し、景気の停滞感は一層強まるなど、依然として厳しい状況にて推移しました。
貨物自動車運送業界におきましては、こうした景気の先行き不透明感を反映し、顧客企業からの物流費削減要求は根強いものがあり、従来の子会社を経由した物流形態を物流専業企業へアウトソーシングする傾向も見られはじめるなど、物流を取巻く市場の変化は激しさを増しました。
また、宅配便市場では、荷物の小口化と運賃の低価格化が進捗し、同業社間での荷物獲得競争は一段と激化しました。
このような状況のなか当社では、コアコンピタンスである小口宅配分野での取扱個数の増大を図るため、絶え間ない輸送サービスの向上を基本に、翌日配達エリアの拡充を最重点課題とし、集配拠点と幹線輸送網の整備に注力しました。
また、営業の重点が小口宅配荷物に移るにつれ、輸送情報には一層のリアルタイム性が求められ、顧客ニーズに応えるためドライバー端末とiモード携帯電話を使用したデータ通信システムを構築するとともに、小口宅配荷物の増加にともなう輸送データ量の増大に対応すべくコンピュータシステムの増強を図りました。
一方、総コスト削減に向けて、全ての業務の見直しを行い、情報技術を活用した合理化・省人化に取り組みコスト競争力の強化に努めてました。
以上の結果当連結会計年度の営業収益は2 465億49百万円(前期比2.2%増)、利益面におきましてはデリバティブに係る収益の発生があり経常利益は78億24百万円(前期比59.1%増)となり、特別損益の部におきまして厚生年金基金解散に伴う退職給付引当金取崩益が発生する一方、固定資産売却損及び投資有価証券評価損の発生もあり当期純利益は73億15百万円(前期比180.2%)となりました。
事業の種類別セグメントの業績
[運送事業]
運送事業におきましては、低価格で高品質なサービスが要求される小口宅配市場において、価格競争力と輸送品質向上のため集配拠点の整備に努め、船橋(千葉県)、金沢東(石川県)、綾部(京都府)、豊中(大阪府)、豊岡(兵庫県)、福山神辺(広島県)などの事業場を開設しました。
また、荷物1個あたりの重さを5kg以下に限定してサービスを提供しておりました翌日配達の小口宅配サービス「パーセルワン」を、お客様のご要望にお応えし、サービス範囲を2kgから30kgまでの6段階に変更して販売を開始しました。
また、翌日配達エリアの拡大のため、陸上輸送と航空及びコンテナ貨物輸送とリンクした最適な輸送体制の構築に取り組んでまいりました。
さらに幹線業務におきましては、配送サービスの品質向上のため幹線輸送網の再編による運行幹線車両のダイヤ化の確立と積載効率の最大化を目的とした「運行業務革新プロジェクト」を設置し、併せてコスト削減にも取り組みました。
以上の結果、営業収益は2 330億77百万円(前期比1.3%増)、営業利益は62億19百万円(前期比76.6%増)となりました。
[流通加工事業]
流通加工事業におきましては、イオン関東RDC(千葉県)及び船橋流通センター(千葉県)、豊中流通センター(大阪府)、福山神辺流通センター(広島県)が完成しましたが、なかでもイオン関東RDCは、最新鋭の物流機器を備えた大規模施設として弊社流通センターの中でも突出しており、今後、国内ロジスティクス事業部門の中心的な役割を果たすものと期待しています。
また、当期4月に那覇空港及び那覇港、11月に船橋支店で通関業の許可を取得し、国内18ヶ所の通関ネットワークを構築し、国際貨物部門の取り扱いを強化しています。
以上の結果、営業収益は91億64百万円(前期比26.9%増)、営業利益は9億60百万円(前期比25.6%減)となりました。
[その他事業]
その他の事業におきましては、土地の高度利用を目指して開設したコンビニエンスストアーは順調な成果を見ておりますが、施設賃貸事業やボウリング事業は、依然として厳しい運営を強いられています。
以上の結果、営業収益は116億48百万円(前期比35.2%増)、営業利益は9億86百万円(前期比7.3%減)となりました。
当期10月には韓国の大手運送会社韓進(ハンジン)と業務提携を結び、韓国からの国際物流を一括して行うこととなり、国際物流部門の拡大を図りました。
次期の見通し
今後の見通しにつきましては、緩慢なデフレスパイラルの続く実体経済のなかで、厳しい所得・雇用情勢を反映し、個人消費や設備投資は停滞し、引き続き先行き不透明な状況下が続くものと予想されます。
貨物自動車運送事業におきましては、日本郵政公社の発足や物流二法の施行によるトラック事業者の営業区域規制の撤廃で、小口宅配市場での同業者間競争は一層激化し、運賃単価の下落要因となり、さらには、スピードリミッターの装着や自動車NOx・PM法の施行による車両の代替がコスト負担要因として経営を圧迫し、事業者が淘汰されていく厳しい経営環境が予想されます。
こうしたなか当社では、競争の激化が予想される小口宅配市場において、同業他社との差別化を図るため小口宅配サービス「パーセルワン」にお届け完了通知メール機能を追加し、輸送サービスの向上に努めてます。
また、情報システム部門では、データのリアルタイム化をより推進するため通信ネットワークをIP-VPN網で再構築し、通信の高速化とコスト削減に取り組み基盤強化を図ります。
一方、顧客企業による物流の合理化・効率化を目的としたアウトソーシングニーズに迅速に対応するためロジスティクス部を新たに設置し、商品輸送に限らず、流通センターの設計段階から物流業務を一括受託するトータル物流システムへの取り組みを強化します。
なお、自動車NOx・PM法の施行をはじめ東京都の環境確保条例など環境関連の規制が強化されてまいりますが、規制適合車や低公害車の導入などで万全の対応を進めます。
次期の業績は、連結営業収益2 500億円(前期比1.4%増)、連結経常利益85億円(前期比8.6%増)、連結当期純利益は50億円(前期比31.6%減)を予想しています。

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