日立金属／大中型商用車ディーゼルエンジン排出ガス浄化用セラミックフィルター開発

日立金属（株）は、ディーゼルエンジンの排出ガスを浄化するキーテクノロジー、セラミックフィルターを開発し、日野自動車（株）の超低PM排出ディーゼル「☆☆☆☆」適合車(大中型商用車)向けに量産体制を整える。
ディーゼルエンジン車のPMとNOxの排出を大幅に低減するため、エンジンシステムの改良に加えて、排出ガス後処理システムの装着が不可欠となるため、排出ガス後処理システムを構成するフィルターに対しては、浄化性能と燃費性能両立の観点から、高いＰＭ捕集率を達成しながらも圧力損失の大幅な低減を図ることを求められている。
同社は自動車用部品の開発、製造及び磁石製造で培われた特殊セラミックス製造とミクロ・ナノ解析・設計・評価において、世界トップクラスの技術を有し、気孔の形状、大きさ、分布を高度に制御して最適化したセラミックフィルター(製品名：セラキャットRフィルター)を開発した。
このセラミックフィルターは、コーディエライト製であり、従来両立が困難であると考えられていた高ＰＭ捕集率と低圧力損失を実現しただけでなく製造技術の革新によって大型一体成形構造品（直径266.7mm、長さ304.8mm）の量産化も実現し、国土交通省 超低PM排出ディーゼル車認定制度85％低減レベル「☆☆☆☆」（新長期排出ガス規制のPM値適合可能レベル）をクリアする車両開発に寄与している。
既に、日野自動車の超低PM排出ディーゼル「☆☆☆☆」適合車(大中型商用車)への搭載が決定し、本格的量産体制を確立する。
特許を２件（国内）登録済、５５件（国内５０件、海外５件）出願済。
販売は、２００３年度秋に販売開始し、２００４年度に５億円を見込んでいる。