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ニチレイ/低温物流を大幅組織再編

2003年12月14日/未分類

(株)ニチレイは平成16年4月1日(予定)から、低温物流カンパニーの経営改善を促進するため、低温物流事業を分社化するなど、グル-プ内の組織再編を実施する。
低温物流事業は、従来からの主力である冷蔵倉庫による保管事業に加え、物流センターの運営受託事業や輸配送事業を新たな事業の柱として育ててきた。
しかしながら、低温物流を巡る事業環境は目まぐるしく変化しており、保管事業では、生産拠点の海外移転や荷主の在庫圧縮等により、特に地方での倉庫需要の低迷が深刻化し、近年収益性が著しく低下している。
また、物流センターの運営受託事業や輸配送事業も、単機能の提供のみならず、顧客の物流改善に繋がるより多機能なサービス提供が求められるようになってきている。
低温物流分野においては日本で最大の事業者だが、こうした市場の変化にスピードを上げて対応し成長を持続していくためには、より迅速な経営判断、ニーズに合ったサービス品質とコスト体質の実現、経営資源の再配置が不可欠であるとの認識した。
組織再編は、こうした課題を克服するために対象とする市場と提供機能を明確にし、改めてニチレイグループの競争優位確立をめざす。
国内の低温物流の事業領域を大きく、「成長領域の物流ネットワーク事業」、「成熟領域の地域保管事業」に分けて考え、それぞれに機動的に対応できるよう、会社の分割を中心に組織を再編する。
■事業別の再編スキームおよび戦略 
物流ネットワーク事業の中心は(株)ロジスティクス・ネットワーク(仮称)で平成16年4月1日、現在輸配送サービスを担っている子会社の(株)日本低温流通が、物流センター19拠点を承継するとともに社名変更を行い、3PLを行う(株)ロジスティクス・プランナーもこの事業に位置づける。
戦略1:サービスの領域の拡充
主要な顧客である量販店・CVSなどの小売、食品メーカー、外食産業、冷凍食品卸は、物流改善に取り組み、在庫の極小化やトータルな物流構築に向けたサービスの提供とローコスト化を強く求めてきている。
顧客の物流改善ニーズは依然旺盛で全面的な業務の外部委託の要請も多くあり、物流ネットワーク事業は大きな成長余力を持った市場であると考えている。
従来からメーカーの物流受託、小売・外食産業の物流センター業務、宅配便のセンター業務日本低温流通による輸配送サービスに取り組んできたが、新会社では、こうした事業を統合し、それらのインフラを有機的に結合して運営することにより、輸配送を主体とした物流業者としての性格を明確にする。
また、新会社は、要所に物流センターを配置し、調達から中継拠点・店舗への納品に至る一貫した物流サービスをロープライスでかつ全国レベルで提供していく。
新会社では競争力強化のために次のようなサービスを新たに展開する。
・調達物流
数多く立地している小売・外食産業の物流センターに対して、メーカー各社が共同で納品するための集荷・仕分・共同配送を行う新しいタイプの物流センター(センター前センター)を設置し、効率的な物流の仕組みを提供。
・量販店・CVSなど小売の物流再構築
チルドからフローズンにわたる低温度帯の輸配送ネットワークを駆使して、量販店・CVSの物流再構築の手伝いを行う。
・事業者向け全国輸配送
事業者向けの低温度帯小口貨物の輸配送をロープライスで行う。
戦略2:業務提携の促進
名糖運輸(株)と業務・資本提携を結んでおり、両社を合わせるとすでに低温輸配送を主体とした物流業者としては業界トップの能力(稼動車両数、拠点規模、拠点数等)を有している。
双方の得意とする分野が好適な補完関係となっているので、今般の組織再編を機にますます提携関係を深めていくことで、市場優位の地位を固める。
戦略3:3PL事業の成長
ロジスティクス・プランナーは、ノンアセット型3PLという観点から物流改善に関わる市場を開拓し、顧客企業の物流一括受託や物流改善・共同物流の提案などで着々と受託案件を増やしており、今後はロジスティクス・ネットワークを高度に活用することが可能となるので、3PLの面からも物流ネットワーク事業を大きく成長させていく。
地域保管事業は、北海道・東北・関東・東海・関西・中国・九州の各地域に新設分割または同社連結子会社への吸収分割による手法で、新たに7つの地域会社を設置し、すでに四国地区で事業運営している四国水産冷蔵(株)((株)ニチレイ・ロジスティクス四国(仮称)に社名変更予定)と神奈川県内で事業運営している(株)キョクレイ(神奈川日冷(株)と合併予定)とを合わせた全国9つの地域会社で地域に密着したサービスを展開し、安定的な事業成長をめざす。
■地域再編スキーム平成16年4月1日(予定)
北海道=(株)ニチレイ・ロジスティクス北海道(仮称)、6拠点
東北=(株)ニチレイ・ロジスティクス東北(仮称)、3拠点
関東=(株)ニチレイ・ロジスティクス関東(仮称)、8拠点
東海=(株)ニチレイ・ロジスティクス東海(仮称)、10拠点
関西=(株)ニチレイ・ロジスティクス関西(仮称)、16拠点
中国=(株)ニチレイ・ロジスティクス中国(仮称)、7拠点
九州=(株)ニチレイ・ロジスティクス九州(仮称)、16拠点
戦略:顧客ニーズに根ざした経営の追求とローコスト体質の実現
保管事業は、これまで主力事業であり、収益性も高く、日本一の設備能力やサービス・保管品質の高さで市場からの支持を得てきた。
しかし、近年厳しい事業環境が継続し、これまで主要顧客としてきた全国規模の荷主は在庫の圧縮や拠点の集約を進めており、今後も事業環境が大きく好転することは難しいとの結論に至った。
また、地域ごとに事業エリアを限って展開しているケースの多い競合他社と比較すると、高コスト体質にあり競争力を低下させる原因となっている。
再編・設置する各地域会社は、分社化によって迅速かつ柔軟な意思決定を可能にし、それぞれの地域の荷主を主要顧客として、地域や設備の特性を活かし顧客ニーズに根ざした経営を進める。
一方で、荷役・事務・管理等の機能を根底から見直すことにより、徹底的なローコスト体質を実現し、コスト競争力においても優位を確立し、(株)ロジスティクス・ネットワーク(仮称)をはじめとする物流ネットワーク事業各社との連携によるビジネスチャンスの拡大も図っていく。
■再編後の事業  
再編・分社化後における低温物流事業の運営は、同社所属の低温物流カンパニー本部が持ち株会社として全体を統括する。
物流ネットワーク事業は、ロジスティクス・ネットワーク(仮称)(一部特定顧客向けは(株)ロジスティクス・オペレーション)と3PL事業を行うロジスティクス・プランナーが担う。
また、荷役サービスを担う(株)ニチレイロジスタッフ関東と(株)ニチレイロジスタッフ関西の2社は、(株)ロジスティクス・ネットワーク(仮称)の子会社とする。
地域保管事業は、地域会社9社を中心に運営し、荷役サービスを担う各社は地域会社の子会社に再編する。
海外事業は欧州(オランダ・ドイツ)のユーロフリゴ社をはじめ7社と中国(上海)に新設予定の子会社が行い、その他の事業は、東洋工機(株)が冷蔵倉庫設備等の工事・維持保全を行う。
低温物流事業のサブセグメントは、従来まで「保管型物流事業」、「流通型物流事業」、「3PL事業」、「海外事業」としていたが、組織再編後は「物流ネットワーク事業」、「地域保管事業」、「海外事業」、「その他の事業」となる。
■今後の見通し  今
般の経営改善を前提として、低温物流事業の平成18年度の中期目標を現段階においては売上高1,500億円を設定しているが、平成16~18年度のニチレイグループの中期経営計画は来年3月に公表する予定。
事業別計画では、物流ネットワーク事業の売上高はすでに計画されている大手量販店の物流業務受託を含めて3年間で年率15%の成長を地域保管事業の売上高は3年間で年率2.4%の成長を目標としている。

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