キリンビール（株）は、100％出資の新会社キリンアグリバイオ上海有限公司を2004年3月に設立する。
新会社は、グループ育種会社が扱うキクやカーネーション苗の現地生産を統轄し、中国における同社品種の権利を保護し、その権利の対価であるロイヤルティーの管理を行うとともに、主に日本市場向けの生産拠点として苗生産を本格展開する。これにより、グループ全体の収益力強化を図る。
花き業界において、中国市場は生産地としても、また将来の有望なマーケットとしても注目されており、現在もグループ会社が開発した品種の一部を生産しているが、中国の種苗業界では品種権の保護制度がいまだに十分浸透していない状況にあり、生産技術も一層の改善が必要な段階にある。
同社は、2002年に上海に事務所を設置し、品種権保護の状況を調査してきたが、今回の新会社設立により、グループが保有するキクやカーネーションの中国における品種権保護を進め、ロイヤルティーの管理を徹底する。
また、現地生産者へ生産を委託し、技術指導により品質の向上を促進するとともに生産コストの削減を図り、日本市場向けの苗生産を本格展開し、苗のほかにも、日本市場活性化のために、切り花、鉢物などの高品質な商品を一部調達し、国内花き事業の基盤強化を進める。
