沖電気工業(株)は、船舶と陸上間の双方向デジタルデータ通信を実現する国内初の「東京湾AIS情報処理システム」を海上保安庁殿より受注した。受注金額は約6億円で、今春よりシステム稼動を開始する。
今回受注したシステムはAISを活用した次世代型海上航行支援システムで、AISを搭載している船舶から船名や位置等の船舶通航業務(VTS)に必要な情報を、VHFデータ通信を利用して自動的に収集し、海上交通センターの運用卓に表示するとともに、安全航行を支援するための情報を陸上側からリアルタイムに船舶に提供する。
東京湾とその周辺海域にAIS陸上局を7ヶ所設け、観音埼にある東京湾海上交通センターのAIS情報処理装置と既存のレーダー情報処理システムを連携させることにより、今まで以上に海上交通の安全性を高め、環境の保護と物流の効率化に寄与できる。
従来、海上交通センターでは電話等を利用して船舶の航行計画を策定し、レーダーにて船舶の位置を確認して安全な航行を支援していたが、近年、安全性の向上や環境の保護、より効率的な海上輸送の実現が求められ、リアルタイムに双方向通信を行えるシステムが必要となってきた。
国際海事機関(IMO)では、海上交通の安全、環境の保全、そしてVTS運用の改善を目的として「海上における人命の安全のための国際条約」であるSOLAS条約を改正した。
国際航海に従事する300トン以上の船舶は2004年12月31日までに、また、国内を航行する500トン以上の船舶は2008年7月1日までにAISの搭載が義務づけられ、それに呼応してAISを活用した次世代型海上航行支援システムを海上保安庁殿が整備することになった。
日本においては「東京湾AIS情報処理システム」がAISを活用したシステムの第1号となり、世界有数の船舶交通のふくそう海域である東京湾とその周辺海域における安全航行と効率化を支援していきます。さらに、海上保安庁殿では、今後、AISを活用した次世代型海上航行支援システムを全国の海上交通センター等に整備していく計画です。
沖電気は、今回の実績をベースに、今後ともAIS情報処理システムをはじめとした次世代型海上航行支援システムを積極的に提供する。
東京湾AIS情報処理システム概要
システム構成: AIS陸上局装置、AIS情報処理装置、AIS運用卓、レーダー情報処理システムのAIS対応(改造)
設置陸上局: 観音埼、本牧、浦安、野島埼、勝浦、伊豆大島、石廊埼、の7ヶ所
船舶からのAIS情報: 船名、船種、位置、対地針路、対地速力、積荷、行先、到着予定時刻など
センターからの安全情報: 気象、海象をはじめとした船舶航行の安全に必要な情報