本田技研工業（株）は、2003年度の日本国内での環境保全取り組み実績と、2004年度目標をまとめた環境報告書「Honda環境年次レポート2004」を発行した。
物流分野の対応は下記のとおり。
輸送領域では、環境マネジメントシステムを導入し、省エネルギー運転やモーダルシフトにより輸送効率の向上を図っている。また包装資材を削減する為、資材レス包装化やリターナブル梱包資材を積極的に導入している。
1.輸送会社への環境マネジメントシステムの導入
輸送領域では、環境マネジメントシステムの整備を目指し、2003年度に主要輸送会社全4社の取得が完了した。
2.輸送効率の向上
2003年度の四輪車、二輪車、汎用製品、補修用部品の輸送時におけるCO2排出総量は155,089CO2トン。
四輪完成車輸送におけるCO2排出量：107,229CO2トン
輸送会社における省エネルギー運転活動や、新型車両への切り替えによる平均燃費率の向上などに取り組みCO2排出量の低減に努めた。四輪完成車の輸送量は2002年度に比べ10％減少したが、さらに復荷率（帰便の活用率）の向上や船輸送の拡大を図り、CO2排出量を2002年度より14％削減した。今後は、船輸送（モーダルシフト）の拡大を図り、さらなる排出量削減に取り組んでいきます。
主な取り組み
・船輸送（モーダルシフト）地域を3県拡大
輸送効率向上の取り組みにより、総量増加を輸送量の増加以下としたCO2削減効果（2003年度）
削減効果（CO2）542トン
二輪完成車輸送におけるCO2排出量：8,964CO2トン
以前より熊本製作所は関東・北海道向け出荷製品を貨車輸送しているが、2003年7月より、新たに浜松製作所も北海道向け出荷製品を船輸送から貨車輸送に切替えて5.6CO2トンの削減効果が得られた。
部品輸送におけるCO2排出量：37,478CO2トン
補修用部品輸送は、433CO2トンの削減を目標に取り組んだ結果、実績値で613CO2トンの削減効果が得られた。効果の理由として、出先倉庫を廃止し、狭山地区倉庫に集約。並びに拠点の見直しを図り統合・廃止を行った結果、輸送走行距離の短縮が得られた。大幅な効果が得られた理由は、輸送拠点の浜松地区保管倉庫を狭山、鈴鹿地区に集約し、3,373CO2トンの削減効果が得られたため。
3.輸送に伴う排出ガスのクリーン化
関連輸送会社から1都3県環境確保条例のに対応説明を受け、実際の運行車両の検査を行い遵法運行を確認した。
製品別包装資材の削減
1.補修用部品における取り組み
1）補修用部品の包装資材使用量及び削減量
2003年度の包装資材総使用量は前年度に比べ404トン増の13,949トンとなった。この増加分は主にリターナブル容器が市場ニーズにマッチしておらず、使用量が当初の予測を下回ったため。包装資材の下記減量化を行なった結果2003年度は225トンの削減効果が得られた。今後は新たな容器の開発導入検討も含め、展開する予定。
2）包装資材削減の取り組み
包装資材スリム化の具体例（木製パレット使用量削減）
包装資材の減量化
・ダンボール使用量の削減（ダンボール箱のポリ袋化）
・木製パレットのスチール化
2.ノックダウン（KD）部品における取り組み
1）内装リターナブル容器の利用拡大
英国向けに内装リターナブル容器を用いて部品供給をすることにより、ダンボール材を490トン削減した。
2）外装リターナブル・ケースの利用拡大
2003年度は、新しく適用する国の追加はなかった。既に適用している国（10カ国）における適用率は75％。
3）新型リターナブル・ケースの開発
他社に供給する駆動系部品用に、リターナブル容器を開発し物流廃棄物が少ない運用を行っている。
3.二輪車の完成車輸出入
中国からのスクーター輸入では、Todayに引き続きスペイシーにもリターナブル・パレットを使用し、物流廃棄物ゼロの運用を行っている。輸出向け包装資材については、ダンボールレス化や、リターナブルスチールケース化で使用資材削減を図っている。
二輪車の完成車輸出における資材の削減量（2003年度）
・スチール材の使用量削減2,330トン
・ダンボール材の削減量1,800トン
4.汎用製品の輸送
中大型船外機の国内輸送梱包はリターナブル・スチールケースを使用して、スチール材とダンボール材を削減。
汎用製品輸送における資材の削減量（2003年度）
・スチール材の使用量削減8トン
・ダンボール材の削減量4トン
