NECとi2テクノロジーズ・インク(以下:2)の両社は、次世代SCM構築事業において広範囲なビジネスアライアンスを締結し、両社共同で日本国内と中国を中核としたアジア・パシフィック全域でのソリューションビジネスを推進する。
このたびの協業における中核的な製品は、i2の新製品「SCOS(Supply Chain Operating Services)」。SCOSは、サプライチェーンの柔軟な運用を目指したソリューションで、既存のシステムを活かした運用や、新規アプリケーションの導入を容易にする。
また、Webサービス・ベースで業界標準のアーキテクチャを採用しているため、サプライチェーン間でビジネスプロセスを同期化することを実現する。
現在のSCMシステムでは、(1)実行系システムのデータを計画系システムに反映させるまで時間がかかる、(2)計画の実現において各業務がどのような状況にあるのかを把握できない、等の課題があった。
SCOSは、業務ごとに異なるアプリケーションのマスタデータを統合する機能に加え、在庫回転率や納期遵守率、リードタイム誤差などのKPI(KeyP erformance Indicator)と呼ばれる経営指標を監視することで、ビジネスプロセスの遂行状況を的確に把握する機能を有している。
これにより、ビジネスプロセスにおける問題点の早期発見と迅速な対策、計画系システムへの素早いフィードバック、KPIを通した他社とのベンチマーキングとベスト・プラクティス(業界トップ事例)に基づいた最適なビジネスプロセスのスムーズな導入・定着を実現する。
矢野経済研究所によると、日本の製造業におけるSCMパッケージの導入率は1割以下と推測され、企業がもつSCMに対するニーズはまだ大きいとしている。
また調査会社のIDCジャパンは、SCM市場が2007年には2800億円に成長するとしている。この成長市場を獲得するためには、i2の新製品「SCOS」とNECのシステム構築力という組み合わせが最善であることから、今回、両社がビジネスアライアンスを締結することとなった。
具体的には、(1)日本を含めたアジア・パシフィック地域を対象とした両社の要員約20名からなる共同拡販チームの結成、(2)SCOSを含むi2製品の動作検証等を行う「コンピテンスセンター」や「デモセンター」の設置、(3)共同技術検討チームによる業種・業務別テンプレートの共同開発、(4)SCOSを始めとしたi2製品を担当するNECのSEを2007年までに300名に増員する等、販売から製品開発、システム構築サポートにいたる包括的なパートナーシップを構築するもの。
協業によりSCOSを始めとしたi2製品によるSCM事業において、NECは今後3年間で200社の顧客獲得を目指す。
近年、企業が競争力を高めるためには、自社の経営資源と外部の資源を有効に活用し合うビジネスモデルをいかに構築するかが課題となっており、日本、中国、韓国、ASEANという東アジアが緊密な経済圏を形成するなどグローバリゼーションが加速する中、国や地域を越えて協調・協働を進める「コラボレーション」型ビジネスへの進化が求められている。
NECは、この新しいビジネスの姿を「DynamicCollaboration」という名称で提示していますが、今回のビジネスアライアンスで提供するソリューションはSCMによってグローバルにこの「Dynamic Collaboration」を実現するもの。