仙台市中央卸売市場を中心に東北地方で生鮮食品の卸売を行っている(株)仙台水産(本社:宮城県仙台市)は、(株)日立製作所のデジタルペンを使用した荷役作業伝票自動処理システムを生鮮卸売市場として国内で初めて採用し、本格稼働した。
システムは、仙台水産のグループ会社である(株)丸水配送(本社:宮城県仙台市)が従来行ってきた手書きの伝票処理業務を継承したまま、荷役作業伝票のデータ処理の自動化を実現したシステム。
荷運び担当者は、市場でせり落とされた鮮魚を市場内の仲卸業者などの取引先まで運ぶ際に、荷役作業伝票に品名、数量、単価などの情報を書き込んでいる。
その荷役作業伝票の処理は、従来、伝票処理の担当者が荷役作業伝票の写しをもとに、運搬費の計算を電卓で行い、その結果をPCに手入力していた。
今回、日立の「デジタルペンソリューション」が提供するデジタルペンとデジタル対応用紙を入力インターフェースに採用することでデータ入力の自動化が可能となり、運搬費も自動的に計算され、請求書発行も行えるようになった。
このことで、大幅な業務の効率化が実現し、従来と比較し、入力コストが約10分の1に低減し、荷役作業伝票のデータは、取引先のPCからも照会できるようになったため、取引先へのサービス向上も実現した。
仙台水産グループは、関連会社や取引先とのネットワークの形成、オンラインの受発注業務など、卸売業界の中でいち早くITを導入し、流通業務の合理化に向けた先導的な取り組みを行っており、同システムもその取り組みの一環として導入したもの。
システムの運用管理は、仙台水産グループの情報システム会社である(株)イーネット(本社:宮城県仙台市、取締役社長:島貫文好)が行い、(株)日立東日本ソリューションズ(以下:日立TO)が、日立の「デジタルペンソリューション」を採用し開発したもの。