プロロジスは2月15日、1月1日付けでプロロジス最高経営責任者(CEO)に就任したジェフリーH.シュワルツの来日にともない、同社マネージング・ディレクター兼日本共同代表である山田御酒、三木真人とともに東京都内で記者会見を開催し、同社の2004年度の業績、今後の各国での見通し、事業展開などについて説明した。
シュワルツは、同社の総資産額の7%を占めている日本における資産を5年以内に、全体の20%まで増やし、また、日本と中国を合わせて全体の4分の1、最終的には北米、欧州、アジアの資産に占めるバランスを同等にすることが目標であるとのべた。
同社では、日本は103万㎡の物流施設用スペースを開発及び所有・管理し、2004年度で、4億米ドル(440億円)を超える開発を開始したが、昨年度におけるプロロジス全体の新規開発のおよそ3分の1がアジア地域で、そのほとんどが日本におけるものだった。
引き続き日本においては、先進の物流施設や機能的な倉庫スペースに対するニーズは高く、新たな物流施設の開発やマルチテナント型物流施設の賃貸状況も順調に推移すると予想している。
日本での事業展開は、2001年の本格的な開発事業の着手以来、計21の物流施設、全額にして16億米ドル(約1,760億円)の物流施設を3大都市圏に所有、管理を行っている。内訳は、東京都と関東地域で合計16施設、近畿地域3施設とプロロジスパーク舞州2(予定)、名古屋に1施設。
今後、福岡、広島、仙台、札幌のような3大都市に次ぐエリアにも物流施設を開発したい。今後、日本、中国以外の国でも重要な市場の順に展開していくと説明した。
但し、日本での開発は順調に進んでいるが、シンガポール政府出資公社(GIC)と共同で設立している日本におけるファンドの枠も上限に近づき、次の資金調達の方法も具体的に検討中と説明した。
2004年度のプロロジスの業績
2004年12月31日現在で、FFO(一株あたりの償却前利益)2003年の2.41米ドルから2.43米ドルに増加した。所有、管理する資産は、158億8千万米ドル超となり、2003年から35%増加した。
主な理由は、第3四半期に同業のKeystone社を18億米ドルで吸収合併したことがあげられる。世界的に見て、先進の物流施設への需要は伸び続けているためとみている。
同社は、物流施設と関連サービスのリーディング・グローバルプロバイダーとして、現在、北アメリカ、ヨーロッパ、アジアの72を越えるマーケットにおいて、2,770万㎡、1,994の物流施設を開発及び所有・管理し、米国が2,140万㎡、欧州543万㎡、中国14万㎡、日本は103万㎡の物流施設用スペースを開発及び所有・管理している。
北米
新規の物流施設の供給は適正な水準に保たれており、新規需要及び稼働率もほとんどの市場において上昇している。
特に2004年第4四半期にトロント郊外のミシサガ(Mississauga)空港周辺にある134エーカーの物流施設開発用地を購入し、カナダの市場に新たに参入した。
ヨーロッパ
プロロジスの物流施設の賃貸状況は好調で、ポートフォリオの全体の稼働率は93.8%に達し、特にオランダ、イタリア、チェコ共和国、ベルギー、スウェーデンでの賃貸状況は100%。
概して物流施設の賃貸マーケットは活発で、EUの拡大に支えられ、中央ヨーロッパにおけるビジネスも、強い成長を続け昨年度は148,600㎡の物流施設開発に着手した。
また、中央ポーランドそしてポーランド南部のカトヴィッツェ(Katowice)近郊に二つの新たな物流施設用地も取得し、213,700㎡の新たな物流施設開発を行える。
アジア
中国
物流ネットワークを向上させるための政府の新しいイニシアチブが新たな機会を与えてくれ、上海の桃浦(Taopu)にあるプロロジスパークノースウエスト上海の3施設、プロロジスパーク蘇州にある現在開発中の2施設、蘇州の合弁会社によって取得した9か所の物流施設と合わせて14施設、140,000㎡を直接所有または合弁会社を通じて所有している。なお、中国におけるこれらの施設は2004年の春に運営を開始したばかり。
さらに上海臨港経済発展集団有限公司(ShanghaiLingangEconomicDevelopmentGroup,Co.,Ltd)と合弁会社を設立した。これは、上海市政府によって計画されている上海洋山国際深水港(洋山港)をサポートするための768エーカーの物流団地を開発するため。
洋山港は、現在建設中で、完成すれば2,500万TEUのコンテナ取扱量を誇る世界最大の港となる。ちなみに香港は2,100万TEUで、ロサンゼルス港とロングビーチ港を合わせても1,100万TEU。
この港における物流施設の開発のための特別な関係は、地元中国企業および国際企業数社との競合の上、樹立されました。この港におけるプロロジスのファーストフェーズは、トータルで102,000㎡、8施設の開発が含まれ、最終的にはこの物流施設団地は90万から140万㎡の物流施設スペースを供給することができる。
同社は、この物流施設団地における独占開発権を与えられたことに加え、上海臨港経済発展集団有限公司と今後開発されるすべての物流団地における最初のパートナーとなる権利も得た。
日本(前述)
組織図
一月よりCEOとしての新しい役目を与えられ、プロロジスは、CEO委員会(経営執行委員会)を設立し、委員会の構成で日本とアジアは、私たちのビジネス活動の中で大きな役割を与えらている。資本のみならず人材等の経営資源の多くをこの地域に振り向け、日本を中心としたアジア市場は、非常に重要としている。
プロロジスは、「We start with customers」 をモットーに、日本においてこれからも、最新の物流施設とサービスの提供を通し、一企業市民として地域経済・産業の活性化に貢献するとともに、顧客のロジスティクス戦略を実現する機能性・費用対効果の高い、人とものにやさしい物流施設とサービスを提供することで、顧客の多様なニーズに応え得る、良きビジネスパートナーとして長期的な関係を築いて行くことを目指している。