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日本自動認識システム協会/自動認識装置等の市場動向調査結果

2005年04月24日/未分類

(社)日本自動認識システム協会は、平成16年1月-平成16年12月の自動認識装置等の市場動向調査結果をまとめた。

自動認識装置・システムの出荷金額は2004年には1,945億円となり前年比4.7%増加した。自動認識技術は、食品分野や医療分野でのトレーサビリティなどその利活用の範囲が拡大し、「効率・安全・安心」の経済社会のインフラとして進化し、急速に普及しつつある。

さらに2005年の出荷金額は前年比12.4%増と大幅に増加する見込みで、2005年4月のUHF帯のRFIDへの使用に関する電波法の省令改正に伴う新製品の市場投入が活発化し、その性能、品質、価格などの実力が明らかになる。

これにより、ユーザは各種業務に最適な自動認識技術を選択できるようになる。

調査結果は、この自動認識技術、すなわち、2次元シンボルを含むバーコード、RFIDおよびバイオメトリクスを活用した装置やシステムなど(「自動認識装置等」という。)の2004年出荷実績、2005年出荷予測などを当協会の会員企業を中心に調査を行い、取りまとめた。

2004年の出荷実績
自動認識技術を活用して「食の安全」や「医療の過誤防止」「セキュリティ」などの消費者ニーズに応えるとともに、マーチャンダイジングの最適化、流通在庫の削減などの「事業の効率化」によって企業競争力を強化する取組みが積極化していることによる。

①バーコード関連は一部製品を除いて2004年の出荷金額、出荷数量ともに増加した。
バーコードは低コストで利活用することができ、各種自動認識技術の中では最も早くから導入され、普及している。近年は特に省スペースで、情報量が多い2次元シンボルが急速に普及している。また、バーコードは特に流通の分野で広く活用されているが、近年は食品分野や医療分野でのトレーサビリティなどその利活用の範囲が拡大している。なお、2004年は消費税総額表示や牛肉トレーサビリティ法の施行がきっかけとなり、流通業界へのバーコード関連の特需につながった。

②RFID(RadioFrequencyIdentification)はデータの書込み、見えないところの読取り、同時読取りができるなど数々の特長を有し、ユビキタスコンピューティング社会の基盤技術として期待されている。そのRFIDは2005年4月のUHF帯の開放への期待感からくる現状製品の買い控えや、RFタグ単価の低下などによって2004年の出荷金額は前年比5.4%減少した。

しかし、UHF帯以外の従来から使用されている周波帯のRFタグや非接触ICカードなどの出荷枚数は前年比1,373万枚増(32.5%増)と大幅に増加しており、RFIDの利活用は急速に進展している。

③バイオメトリクスは究極の本人認証(セキュリティ)の技術として期待されており、2004年の出荷金額は前年比26.2%増と大幅に増加している。従来から普及してきた指紋認証に加えて、金融機関を中心に静脈を用いた本人認証が採用されて、消費者にバイオメトリクス技術の認知度が急速に高まり、普及の原動力となった。

製品分野別実績
バーコードは低コストで利活用することができ、各種自動認識技術の中では最も早くから導入され、普及している。近年は特に省スペースで、情報量が多い2次元シンボルが急速に普及している。また、バーコードは特に流通の分野で広く活用されているが、近年は食品分野や医療分野でのトレーサビリティなどその利活用の範囲が拡大している。なお、2004年は消費税総額表示や牛肉トレーサビリティ法の施行がきっかけとなり、流通業界へのバーコード関連の特需につながった。

バーコードプリンタの2004年の出荷金額は430億円で前年比0.9%の微増であった。消費税総額表示への対応や牛肉トレーサビリティ法の施行による需要の拡大が見込まれたが、ソフトウエアの変更による対応などによって、2004年の出荷金額、出荷台数を大きく押し上げるには至らなかった。

バーコードサプライ用品(用紙、インクリボン、タグなど)の2004年の出荷金額は855億円で前年比12.2%増と大幅に増加した。トレーサビリティ需要の拡大、消費税総額表示への対応、医療分野やデジタル家電の需要拡大などが大きな要因であり、バーコード利活用の一層の伸張を示している。
◇自動認識のソフトウエアの出荷金額の9割強はバーコードソフトウエアで、2004年の出荷金額は52億円、前年比32.4%増と大幅に増加した。消費税総額表示への対応ソフトウエアのバージョンアップ版の供給が大きな要因である。

RFID関連(リーダライタ、タグ、応用機器および付属品)の2004年の出荷金額は164億円で前年比5.4%減少しているが、RFタグや非接触ICカードなどの出荷枚数は5,600万枚で前年比32.5%増と大幅に増加した。出荷金額が減少した要因は、135kHz以下および2.45GHzのRFID関連の出荷金額はそれぞれ前年比17.0%増、35.6%増と高い増加率であったが、3.56MHzのその出荷金額は前年比22.7%減少したことによる。

2005年4月のUHF帯開放への期待感から、機能、性能がUHF帯と重なると市場で判断された13.56MHzのRFID関連の買い控えが多かったことである。しかし、新しいアプリケーションでの採用が始まっており、RFタグなどの出荷枚数が大幅に増加していることから、RFIDの利活用、認知度は急速に高まっている。

また今後、UHF帯の開放などの追い風を受けることもあり、RFIDの利活用を企業の1つの部門や企業内での利活用といったクローズドなシステムから、企業間や産業横断的に利活用するよりオープンなシステムへと進化させることが期待されている。

なお、RFIDの利活用は2004年においてFA(Factory Automation)が49.4%を占めているが、2005年の予測では42.1%に低下し、また、流通・POSも11.1%から9.5%に低下する。一方、物流・運輸は22.0%から23.7%に、セキュリティは12.6%から14.5%へ、また、レジャーは1.2%から2.0%へそれぞれ上昇すると予測され、RFIDの利活用が多様化している。

バイオメトリクス(生体認証)関連の2004年の出荷金額は集計企業数の制約はあるが、前年比26.2%増と大幅に増加した。金融機関を中心にキャッシュカードの偽造・偽装防止対策としてバイオメトリクスを用いた本人認証を採用したことが大きな要因である。

種類別には指紋認証が大半を占めているが、虹彩認証、静脈認証などが続いている。
今後、これらのバイオメトリクス技術はパスポートや船員手帳に適用される動きに見られるように、RFID、2次元シンボルなどと組合わせて運用するシステムも増えていく傾向にある。

2005年の出荷予測
2005年の自動認識装置等の出荷金額予測は2,186億円で前年比12.4%増と大幅な増加が見込まれており、下記のようにすべての製品分野で出荷金額の増加が予測されている。

要因
UHF帯の開放に伴う新製品の市場投入が活発化し、その実力(性能、品質、価格など)が明らかになり、ユーザが各種業務に最適な自動認識技術を選択できるようになる。

「効率・安全・安心」に寄与する商品トレーサビリティのニーズはますます高まっており、それを実現させるために自動認識装置等の利活用が不可欠である。

預金の引出しに消費者が自らバイオメトリクス技術を活用するなど、消費者が身近で自動認識技術を活用してその利便性や安全性を享受できるようになってきた。

製品分野別予測
バ-コードリーダの2005年の出荷金額予測は490億円で前年比16.7%増、出荷台数も16.4%増と大幅な増加が見込まれている。その要因は、流通・製造業界での食品のトレーサビリティ需要の継続的拡大、自動車部品、電子部品の履歴管理用の無線ハンディターミナルの増加、2次元シンボルの普及に伴うイメージスキャナの増加などである。

バーコードプリンタも2005年の出荷金額予測は494億円で前年比14.9%増、出荷台数は20.5%増と大幅な増加が見込まれている。消費税総額表示の実施や牛肉トレーサビリティ法の施行といった前年のような特需はないが、引き続き医療分野へのバーコードの活用拡大、電子部品業界や流通分野での需要の増加が見込まれている。

バーコードサプライ用品も前年のような特需が見込めないが、上記のようなバーコード活用領域の拡大などによって、2005年の出荷金額予測は1.8%増の871億円である。

自動認識ソフトウエアの2005年の出荷金額予測は、前年比2.3%増の53億円である。

RFID関連の2005年の出荷金額予測は、前年比44.4%増の237億円と大幅な増加が期待されている。特にRFタグ、非接触ICカードなどの出荷枚数は前年比82.5%増の大幅な増加が予測されており、RFIDの本格的な普及に大きく前進する。その主な要因は、UHF帯の開放に伴う新製品の市場投入が活発化し、その実力(性能、品質、価格など)が明らかになり、従来からの周波数帯を活用したRFIDを含めて、ユーザは各種業務に最適なRFIDを選択できるようになる。

なお、RFIDを企業や産業を超えて利活用できるよう、商品コード、通信プロトコルなどの標準化の進展が期待されている。

バイオメトリクス関連の2005年の出荷金額予測は、前年比72.8%増の41億円である。ホームセキュリティ分野や、金融・証券分野、ユビキタスコンピューティングのセキュリティなどの新市場が急速に拡大すると予測されている。さらに、従来からの指紋、静脈、虹彩のほか、顔や声紋を利用した新システムの増加が見込まれている。

一方、バイオメトリクス市場を拡大するための課題として装置価格の低下や認証精度の更なる向上が指摘されている(回答企業13社中それぞれ11社、8社)。加えて、個人を識別するバイオメトリクスデータの管理方法などの環境整備も今後の大きな課題である。

今後の業況感
2005年出荷金額の大幅な増加予測は、自動認識機器等は全体として「昨年より伸びる」は32.9%で、「昨年より下がる」の6.5%を大きく上回っている。また、いずれの製品分野も「昨年よりも伸びる」が「昨年よりも下がる」を大きく上回っている。特にRFID関連は「昨年よりも伸びる」が51.1%で、「昨年よりも下がる」はわずか6.0%に過ぎない。

(社)日本自動認識システム協会
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