（株）商船三井と（株）近鉄エクスプレスは、戦略的提携（業務提携・資本提携）をことし5月におこない、ロジスティクス、航空貨物フォワーディング、海上貨物輸送の3分野で、相互補完によるサービスの拡充を目指しているが、覚書締結後の進捗を公表した。
両社は、商船三井副社長・佐藤博之、近鉄エクスプレス副社長・松田芳昭を筆頭とする構成員で設置した合同委員会のもと、3つの分科会を組織し、現在、以下の事項を検討し、一部実行に移している。
①ロジスティクス分科会：ロジスティクス事業における取り組み
・米国におけるバイヤーズコンソリデーションの共同セールス
・商船三井による近鉄エクスプレスの中国倉庫・ネットワークの活用
・米国におけるディコンソリデーションサービスの共同開発
②航空貨物分科会：航空貨物輸送における取り組み
・航空貨物の共同集配・配送
・コーローディングに向けたシステム開発
③海上貨物分科会：海上貨物輸送における取り組み
・近鉄エクスプレスによる商船三井グループの港湾施設（日本）の活用
・商船三井グループによる近鉄エクスプレスの日本発混載サービスの活用
資本提携については、商船三井は、当初の予定どおり、10月末までに、近鉄エクスプレス社の株式を、発行済み株式数（36,000千株）比で約5％を取得した。同様に、近鉄エクスプレス社は10月末までに、商船三井ロジスティクス社の株式を発行済み株式数（1,175千株）比で約25％を取得した。
バイヤーズコンソリデーション（Buyers’ Consolidation：買付け物流）
複数の工場から商品を買い付ける単一荷受人の貨物を、一箇所に集めて混載し輸送する形態。
ディコンソリデーションサービス（Deconsolidation Service：再混載）
混載された貨物を、荷揚げ港近郊で最終仕向け地への最適輸送モードに合わせ再混載し、荷受人まで届けること。
コーローディング（Co-Loading：共同積荷）
複数の利用航空運送事業者（混載業者）が国土交通省の認可を得て、共同で混載仕立を行うこと。
