王子ネピア（株）は家庭紙業界におけるより一層の競争力強化を目指し、アイ・ビー・エム・ビジネスコンサルティングサービス（株）（以下：IBCS)と日本アイ・ビー・エム（株）の協力のもと、2003年11月から効率的な需給業務および市場動向に即応した商品供給体制の確立を目的とした業務改革プロジェクトを開始した。
その一環としてことし9月から、需給計画立案支援システムおよび需要計画支援システムが本番稼動を開始している。
王子ネピアは設立にあたり、2001年7月に王子製紙（株）の家庭用紙販売子会社である（株）ネピアとホクシー（株）の販売部門を統合した。その後2003年4月に王子製紙の家庭紙カンパニーを加えた3社が事業統合した。
新会社は生販の有機的統合を目指していたが、統合直後は、王子製紙の生産製品であったネピアブランドと、自社生産されていたホクシーブランドがそれぞれ異なるフローで管理、販売されていた。
このため王子ネピア製品全体の販売状況や見込みといった、市場を把握するうえで重要となる情報を生産現場へ的確にフィードバックすることができず、統合の相乗効果を十分に活かしきることができない状態にあった。
そのため、王子ネピアは3社の完全統合に際し、販売情報と生産計画とを連携させることにより、市場動向に迅速かつ的確に対応できる新体制を作るため、2003年11月よりIBCSのSCMコンサルタントとともに業務改革プロジェクトを発足した。
当業務改革プロジェクトでは、需要予測精度の向上、最適な在庫水準の定義、完成品の最適配分を計画する輸送計画の開始など6つの改革ポイントを掲げ、最適な業務プロセスを新たに定義した。
新業務プロセスへと変革していくためにはITシステムの活用が不可欠であると判断し、需給調整や輸送計画などのシステムを新たに構築した。さらに需要予測の精度を向上させるため、営業現場での最新の商談情報をシステムに連携させる仕組みを構築している。同社は、販売計画立案から生産依頼までの日数の半減、在庫日数の半減を目標としている。
なお、今回のシステムにはi2テクノロジーズ・ジャパン（株）のサプライチェーンソリューションである「SCP(Supply Chain Planner)」と「DP(Demand Planner)」が採用されている。
