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ヨドバシカメラ/新物流センターで、RFID情報管理システム開発・検証

2006年05月24日/物流施設

日本ヒューレット・パッカード(株)は、(株)ヨドバシカメラのRFID情報管理システムの開発に向け、デュアルコアインテル Xeon プロセッサ7040を搭載したHP Pro Liant DL580G3上で複数のRFIDリーダーを制御した環境でのパフォーマンスおよび読み取り率の事前検証を完了した。

これにより、ヨドバシカメラが準備を進めている日本初の大規模な商用RFIDシステムは、運用開始に向けて大きく前進した。

ヨドバシカメラでは、昨年秋に検品作業におけるRFIDの利用推進を表明し、現在日本初の大規模な商用RFIDシステムである「ICタグ情報管理システム」の運用開始に向けて準備を行っている。

同システムは、RFIDを検品作業に活用するにあたり、RFIDリーダーから読み取られたタグ情報を発注管理システムに中継するもの。

従来、検品作業では納品の際にパレットに貼付されたバーコードをリーダーにて手作業で読み取るケースがほとんどだったが、RFIDを利用することで、リーダーの付近を通過するだけで商品に添付されたICタグの情報を無線で読み取ることができ、検品作業を大幅に効率化できる。

ICタグ情報管理システムでは、さらにタグ情報と仕入先の出荷情報との照合、および入荷情報の更新までを自動化する。

今回事前検証を行った、RFIDを活用した検品作業の業務フロー
1.無線ICタグを貼付した納品物を、センター倉庫に搬入。
2.センター倉庫天井に設置したRFIDリーダーで納品物のタグを読み取り、サーバへデータ転送
3.サーバ上でICタグのEPC情報(*1)を、購買/在庫管理システムの出荷情報と照合、検品

今回のヨドバシカメラのICタグ情報管理システムの開発にあたっては、稼動実績がない日本の共用化技術(LBT)対応のリーダーの導入や、倉庫内の広い領域で大量のタグを同時に読み取るための複数のRFIDアンテナおよびRFIDリーダーの同時制御に対応したミドルウェアの開発などの重点課題があり、システム規模の大きさもあいまって導入前の事前検証が必須だった。

このため、事前に業務上想定されるデータ規模、データ送信タイミングを再現した環境下において、今回のために開発されたICタグ情報管理システムのパフォーマンスと読み取り率を検証した。

パフォーマンスについては、商品の入荷に伴い複数のリーダーから送信された入荷実績データが、同システムにて処理され、購買/在庫管理システムにデータが送信される際の性能を検証した。

また、読み取り率については、32基のアンテナと8台のRFIDリーダー(日本の共用化技術に対応)を設置した環境下でのタグ情報の読み取り精度を測定した。

検証は、ヨドバシカメラ新物流センターにおいて、1納入あたり500個の大量同時納品など、実際の業務に即した様々な納品パターンを想定して実施された結果、業務に十分耐えうるパフォーマンスでスムーズに業務フローを実現できることが確認され、タグ情報についても100%近い読み取り率を達成した。

この検証にあたっては、無線ICタグからデータを正確に読み取り、サーバでスムーズに処理できることが求められるため、信頼性に優れ、高いパフォーマンスを誇るデュアルコアインテルXeonプロセッサ7040を搭載したx86(PC)サーバであるHP ProLiantDL580G3上で検証を行った。本サーバは、64ビット環境にもスムーズに移行可能な、将来性の高いプラットフォーム。

日本HPは今後も引き続きヨドバシカメラのICタグ情報管理システムの運用開始に向けて、検証作業を継続し、ヨドバシカメラは、2006年5月中に同システムを稼動開始し、商品の受け入れを開始する予定。

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