大日本印刷（株）は、東京ガス（株）に、PCグリッドソフトウェア「AD-POWERsR（エーディーパワーズ）」と、その周辺ソフトウェアである「AD-POWERsR For Excel」を納入した。東京ガスは、緊急車両最適配置シミュレーションに、AD-POWERsRを活用し、処理時間の大幅な短縮を実現した。
東京ガスは、都市ガスによる事故の発生防止のため、24時間・365日対応できる緊急保安拠点として「ガスライト24」を設置している。
ガスライト24では、都市ガスを供給している関東地区の39拠点に緊急出動用の車両や処置を行う工作車両を常時待機させているが、顧客の安全向上のために、各拠点の担当区域や配置車両の種類・台数、要員数等については、常に見直しを行っている。
見直しにあたっては、緊急車両最適配置シミュレーションなどの数理技術を駆使し、地域・季節・時間帯別の出動実績や各地域の交通状況、顧客のガス需要量などの様々な情報を考慮しながら、最適な緊急保安体制を確保している。
東京ガスは、Excelのマクロ機能（VBA）を使って、このシミュレーションを行っているが、複数の条件の下で全車両の稼動を精密に再現することから膨大な量の計算が必要となり、これまでは、一連のシミュレーションが完了するまで、1台のPCで25時間以上を要していた。
今回、東京ガスは、AD-POWERsRとAD-POWERsR For Excelを導入し、6台のPCによるPCグリッドシステムを構築し、一連のシミュレーションの処理時間を約4.4時間まで短縮した。
DNPは、Excelマクロを使ってシミュレーションの計算処理を行うことの多い事業分野に対し、販促活動を積極的に展開し、今後、AD-POWERsR、周辺ソフトウェアの販売と、アプリケーションの受託開発やグリッド環境構築の受託などにより、平成19年3月末までに1億円、平成21年3月末までに5億円の売上を見込んでいる。
