LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

三菱総合研究所/電子タグ実証実験をASEAN3カ国で展開

2006年10月18日/IT・機器

(株)三菱総合研究所は、(社)電子情報技術産業協会と共同で、平成18年度の経済産業省電子タグ実証実験「国際標準実現型プロジェクト」を提案、採択されているが、このほどASEAN3カ国(シンガポール、マレーシア、タイ)で展開する実証実験の概要が固まった。

今年度の実証実験においては、電子タグの国際標準化を視野に入れた海外各国との協調、海外における電子タグシステムの有用性の確認と国際市場における普及の促進、電子タグを利活用した貿易手続きの簡素化などの実現を目的として準備を進めている。

今回、実証実験の対象となるのは、家電業界で、具体的なオーガナイズを担当する、(財)国際情報化協力センターシンガポール事務所とも連携しながら、家電業界にとって日本との関連も密であるシンガポール、マレーシア、タイの3カ国を実験のフィールドに選定した。

貿易手続きの簡素化実験に関しては、マレーシア標準工業研究所(SIRIM)の協力を得、実施ベンダー及び実験フィールドは、BtoG、BtoB実験については松下電器産業(株)の、BtoC実験については(株)日立製作所の全面的な協力を仰ぎ、2006年12月から2007年2月にかけて実施する。

電子タグ実証実験の概要
実験レーン1 BtoG
(公的認証の効率化) SIRIM(マレーシア標準工業研究所)が実施している輸入製品検査について、電子タグを貼付したコンテナ(商品)については受入検査を優先する等、効率化の可能性を検証する実験を行う。 発地:日本、着地:マレーシア、品目:電話関連機器(予)。

マレーシアにおける家電製品輸入に関するSIRIMの認証試験の期間短縮化を目的として、電子タグを活用した実験を行う。
日本出荷時にインターネット経由で先行して送った製品情報と、製品を収めたコンテナに貼付した電子タグのIDを、コンテナの現地到着時に紐付けて確認することで、現地公的機関の処理開始を早め、スピードも短縮することが可能となり、従来7日間程度を要した認証も含む輸入手続きが、3日程度に短縮されることが期待されている。(コンテナタグに使用する周波数帯域は現在検討中)

実験レーン2 BtoB
(国際物流業務の効率化、国際標準の実用化に際しての検証、日本製タグの性能検証) 現地から日本までの国際物流のトレードレーンを対象に、個装/梱包レイヤに日本製電子タグを貼付して、物流業務への有効性検証・性能検証等を行う。

実験に際しては、家電コンソーシアム・ガイドラインの一部検証も併せて行う。発地:マレーシア、着地:日本、品目:家庭用ファクシミリ(予)。

わが国に流通する家電製品の生産は、多くの製品においてASEAN各国や中国に主力拠点が移転しており、現地で大量生産された製品がわが国に運ばれ、市場に流通している。

家電製品にタグをつけてわが国に流通させるには、現地の生産・物流(工場・倉庫)が電子タグ貼付や活用にまず習熟することが極めて重要で、家電各社が結成した「家電電子タグコンソーシアム」とも協力しながら、マレーシアの家庭用ファックス機生産ラインにて、大量生産品における個装箱への電子タグ(UHF帯域の響タグの使用を予定)の貼付と、日本への輸送を実証実験し、電子タグ運用に関する効果や課題の検証を行う。

実験レーン3 BtoC
(電器店の接客効率向上、消費者へのタグの認知など)東南アジア3カ国の電器小売店にて接客効率の向上、日本製タグのPRなどを目的とした実験を実施する。タイ(バンコク)、マレーシア(クアラルンプール)、シンガポール、品目:家電製品(予)。

ASEAN諸国は経済力の向上により、家電製品の消費市場としても急速に発展しており、家電流通においても現地資本と、日本資本、欧米豪資本とが活発な競争を展開しており、シンガポール、マレーシア、タイの3カ国にて、現地の代表的な小売店(1店舗)の店頭におけるマーケティング活動に電子タグを活用する実験を実施する。

具体的には、PDA端末、KIOSK端末等を用いて、電子タグ(UHF帯またはHF帯)から読み取った商品に関する使い方の詳細や、アイデアなどの情報を表示します。来店した一般消費者にも参加を募り、その反応、効果を探る予定。

関連記事

IT・機器に関する最新ニュース

最新ニュース