生産・物流の効率化を目的に、株式交換によって大阪製鐵（株）の完全子会社となる方針を2006年10月に発表していた東京製鐵（株）は2月22日、株主承認を求めるための臨時株主総会を開催したが、否決された。これにより株式交換契約は失効した。
東京鋼鐵は「将来の存続を確保する上で最善の選択であると確信していたが、中長期に基づく株主価値を守るための再編が承認いただけなかったのは誠に遺憾」「構造改善が急務である電炉業界にとっても貴重な機会が失われた」と発表した。
大阪製鐵、東京鋼鐵は、両社をグループとして一体運営することで、東西両社の拠点をフル活用し、物流コストを中心としたコスト競争力、生産対応力を高める狙いで2006年10月26日に、株式交換で大阪鋼鉄が東京鋼鐵を完全子会社化する契約を締結していた。否決により、両社の物流再編計画などは白紙に戻る。
臨時株主総会では、株式交換比率の低さから反対していた主要株主の外資系ファンド「いちごアセットマネジメント」が事前に株主から反対票を募って委任状争奪戦を繰り広げた結果、承認に必要な3分の2の同意が得られなかった。
