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スターリングコマース/米国上級副社長、SCM改革を強力支援

2007年03月09日/未分類

米国スターリングコマース社は2005年以降、Yantra、コマージェント社とサプライチェーン・ソリューションを手掛ける2社を相次いで買収、サプライチェーン分野での攻勢を強めている。3月5日には米国本社から製品担当のスコット・パルシファー上級副社長が来日し、同社の製品戦略について会見。同社が今後重点を置く業種について「流通、製造、ロジスティクス分野」とし、自社製品を通じて企業のSCM改革を支援することに注力すると強調した。スターリングコマースの製品戦略について、スコット・パルシファー氏に聞いた。

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スコット・パルシファー上級副社長

■スターリングSCAの強みはコンポジットとパッケージ
―― SCMアプリケーションのバージョンアップを発表したが、従来製品との違いは
最大の違いは、PCA(パッケージ・コンポジット・アプリケーション)が追加されること。2つのキーワードで説明できる。1つは『コンポジット』で、いかにSOA(サービス志向構造)を活用し、ビジネスソリューションを構成するコンポーネントを顧客に届けるか。これにより、ソリューションを実装する際に、顧客のビジネス特性に適したカスタマイズが可能となり、飛躍的に柔軟性が高まる。

もう一つが『パッケージ』。パッケージ化されているということは、取り出せばすぐに使えるというイメージで、例えば流通業向けには、マルチチャネルでオーダー管理できる機能が最初から組み込まれている。事前に条件付けされ、プロセスも決まっており、導入すればすぐに使えるというのがポイントで、スターリングコマースがこれまで培ってきた最高の経験を反映したもの。すぐに使いたいというニーズに対応するのが『パッケージ』部分で、ニーズの変化に合わせて機能をカスタマイズできるのが『コンポジット』の部分。どちらのニーズにも対応できる機能が盛り込まれたことになる。

―― SSCAのバージョンアップは、PCA機能を追加搭載したマイナーチェンジということか
オーダー管理と倉庫管理機能は既に備えているので、これをパッケージ化してSOAに載せたという意味では、マイナーチェンジだといえる。しかし、さらに2つの追加PCA機能である『サプライチェーンの可視化』『ストア・マネジメント』は新開発であり、革新的な機能だと考えている。米国でバージョン7.9がリリースされたのは2006年第4四半期だが、サプライチェーンの可視化機能は2006年10月に、ストア・マネジメント機能は9月に出されており、ストア・マネジメントについては今四半期中に新バージョンを出す計画だ。

―― 従来の製品戦略を変更したのか
あくまでも土台は従来のサプライチェーン・アプリケーションで、PCAを新たに追加したり、PCAのバージョンを上げていくという製品戦略をとるという考え方だ。

■メインターゲットは流通、製造、ロジスティクス
―― これまで対象としていなかった業種にもターゲットを広げていくということか
そうだ。企業が現在使っているシステムを置き換えるものではない。あくまでも既存システムの上に実装できるソリューションで、顧客企業が経営戦略を実現していくためのシステムを追求している。

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Sterling Supply Chain Application(SSCA)のイメージ

―― メインターゲットは設定せず、あらゆる業界を対象にしているのか
金融、物流、流通、製造など、どんな業種にも対応していくが、メインターゲットは流通と製造業、その間を取り持つロジスティクス企業となる。Yantraは特に流通業に強く、コマージェントのシステムは製造業にフォーカスしていたことから、両方の強みを融合したシステムといえる。

―― 今後強化していく機能分野は
グローバルロジスティクス管理、インターナショナル・トレードロジスティクス管理の2分野を視野に入れている。現在、輸配送管理システムはあるが、これはあくまで国内輸送管理で、グローバルにビジネス展開する企業が必要とする海上、航空、通関などのシステムもフォローしていく。また、対サプライヤーについても、ベンダー管理などの分野に関心を持っている。米国では計画ベースのフルフィルメントと呼んでいるが、在庫補充、店舗への直送、ベンダー在庫の管理について、投資する方針だ。

―― 具体的なソリューションイメージは
例えば、流通業であればサプライヤー側に在庫を管理してもらうということ。売上げデータなどをサプライヤーに流すことで、サプライヤーは自社製品の在庫・販売状況を把握できるようにする。また、顧客起点の情報も計画や在庫施策に反映させていく需要予測分野も強化する。企業内にとどまらず、取引先の在庫状況、生産工程を含めた工程、物流で可視化の取り組みを進める。発注した製品がどんな状態にあっても、どの工程にあるのか、地理的な情報も含めて把握できる。

■異なる標準化団体の規格統合専門チーム、年間30-70団体に対応
―― グローバルで見た場合、各分野のソリューションシステムはどんな発展段階にあるのか
最も伸びているのがB2Bの統合ソリューションで、倉庫管理システムは頂点を迎えている。B2Bの2、3年遅れで業態にフォーカスしたアプリケーション分野が浸透してきている。つまり、B2Bに続いてオーダー管理が発展し、サプライチェーンの可視化への取り組みがそれに続くと考えている。

―― 日本企業は、バリューチェーンを可視化していくトータルソリューションを導入して、メリットを享受できる段階にあるのか
欧米に比べると、日本企業はその分野で2、3年程度遅れている。しかし、国際的に展開する企業は日本に多く、自社は国内に位置していても、バリューチェーンがグローバルに広がっている。こうした日本企業が競争力を獲得するために、必要な取り組みだ。オンラインで購入したものをオンラインで返品できるような、最新テクノロジーを活用したシステムを導入できるなど、追いつく立場としてのメリットは十分にイメージできる。

―― 今後、RFIDの普及などで既存のサプライチェーン管理手法が変革を迫られる可能性がある。従来手法からの変化に対する対応力は。
スターリングコマースの製品の中心には、コア・トランスレート・エンジンが搭載されている。どんなスタンダードであっても、異なるフォーマット間であっても、容易にトランスレートできる、という強みがある。

―― 地域、業界独自に発達したスタンダードを統合するための、ソフト面での取り組みは

グローバルなシステム接続を容易にするために、異なる標準化が進んだ地域、分野に入る『標準開発チーム』を米国、ドイツ、シンガポールに設置している。この部隊が、それぞれ年間30-70の標準化団体をサポートする。アイテム単位の同期化を行うマーケットで、スターリングコマースは北米の40%のシェアを占めている。

―― スターリングコマースの最大のセールスポイントは
グローバルでの競合企業について、アプリケーション分野ではSAPとオラクル、ネットワークではGXS、マネージド・ファイル・トランスファー(MTF)分野ではアックスウェイとIBM、B2Bはアックスウェイ、ティブコ、ウェブメソッド、IBMなど、分野ごとに競合企業が存在する。しかし、プロセス統合を掲げてそれぞれの分野を強力にサポートできるのはスターリングコマースだけで、これが最大の強みだと考えている。

■スターリングコマース(株)
http://www.sterlingcommerce.co.jp/

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