三井物産（株）は4月1日付で、国内物流の中核を担う子会社である日東ロジスティクス（株）、東神倉庫（株）、京義倉庫（株）の経営統合を行い、新会社は「トライネット・ロジスティクス（株）」とし、京義倉庫社長であった高田誠一氏が、社長に就任した。
新会社は、各社の強みを活かし、経営資源を結集してコアコンピタンス強化とニューコンピタンス創造を図り、シナジー効果を一層高め連結プレミアムの極大化を狙う。
三井物産は、昨年5月に3社の純粋持株会社として三井物産ロジスティクス・ホールディングス（株）を設立し、その元で経営資源の結集を実行し、3社と三井物産物流本部により分野ごとに、様々な共同プロジェクトチームを結成し、全員参加型で新戦略を検討。
事業会社同士も統合することによりさらなるシナジー発揮が可能との結論となり、今回の再編となった。
センター事業を得意とする日東倉庫、樹脂物流に強い京義倉庫、定温・メディカル物流基地である東神倉庫と、それぞれ強みを持っており、互いの強み・ノウハウを共有し有機的に組み合わせることで、商社系物流会社として成長戦略を加速させる。
日東倉庫は昨年1月舞浜流通センター（浦安市）を竣工し、通販等の流通拠点として機能強化。東神倉庫は同11月に品川区勝島に新倉庫を竣工、医療機器等のメディカル物流に力を入れ「メディカルのメッカ」とすべく展開中。
京義倉庫も樹脂に特化した多目的倉庫を含む大型物流施設「市原インターモーダル・ターミナル：IMT」を市原市の京葉化学コンビナート内に建設中で、バージを用いた横浜港との間のコンテナ輸送も4月より開始し、環境負荷の低い物流輸送を行なっている。
当初は現場での混乱を避けるため、旧会社毎の緩やかなカンパニー制をとるが、総合力の発揮が可能な不動産・トランクルーム事業本部、ニューコンピタンス創出をミッションとする新事業推進本部等については、立上げより統合組織を組成し、早期の統合効果実現を狙う。
「事業ポートフォリオの最適化」の一環として、各社保有資産についても最適活用を図って参ります。既存倉庫・ビルの自社保有に加え、必要に応じてREITを活用したCRE戦略も積極推進する。
新会社は「Logistics for Tomorrow」をキーワードに、物流業務の更なる高度化と効率化を推し進め事業基盤の強化を図り、顧客ニーズの多様化・高度化に適切に対応出来るサービス体制を整備する。
社員等数は約1,500名、総延床面積22万坪の規模となり、来期は売上高315億円を見込んでいる
三井物産ロジスティクス・ホールディングス（株）概要
社長：高田誠一
住所：東京都千代田区大手町1-2-1
設立：2006年5月
事業内容：国内物流会社3社を統括する純粋持株会社
資本金：4億円
京義倉庫（株）概要
社長：高田誠一
住所：東京都江東区北砂2-15-20
設立：1950年
事業内容：樹脂を中心に取扱う輸出入国内各種物流業務
資本金：5.02億円
売上：約125億円
日東ロジスティクス（株）概要
社長：加藤誠
住所：東京都江東区辰巳3-5-3サンイースト辰巳
設立：1959年
事業内容：流通加工･物流センター行を中心とする各種物流業務
資本金：4.0億円
売上：約143億円
東神倉庫（株）概要
社長：崎山信彦
住所：東京都品川区勝島1-5-21
設立：1958年
事業内容：食品・メディカルを中心に取扱う輸出入国内各種物流業務
資本金：1.2億円
売上：約31億円
トライネット・ロジスティクス（株）概要
社長：高田誠一
住所：東京都江東区辰巳3-5-3 サンイースト辰巳
設立：2007年4月
事業内容：輸出入国内各種物流業務
資本金：10億円
