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JFEエンジニアリング、ジェイエスキューブ/青果物の一貫トレーサビリティーシステムを共同開発

2007年08月29日/IT・機器

JFEエンジニアリング(株)は8月28日、三井物産(株)の全額出資子会社(株)ジェイエスキューブは、両社が保有するシステム技術を統合し、「新たな青果物一貫トレーサビリティーシステム」を共同開発すると発表した。

JFEエンジニアリングは、荷受、分荷、出報配信、売立照合、代金精算など、生産者団体に必要な一連の電算業務をインターネット上で提供する集出荷事務処理アプリケーションサービス「アグリポイント」を既に行っている。

青果物の出荷時点で出荷包装・箱に識別バーコードを付けることで、これまで手作業だった集出荷事務を効率化するとともに、正確、迅速に出荷履歴情報を把握できる。

また、データセンターにすべての機能を搭載して全国の生産者団体がインターネット経由、共同利用するしくみであることから、インターネットにつながるパソコンがあれば容易、安価に導入できる。

ジェイエスキューブは、青果物の生産者が、納屋や圃場など屋外でも携帯可能なタッチ入力式小型端末「アグリカルチャー@ポケット」を商品化し生産者団体へサービス提供中。

農作物の播種、防除、施肥など栽培行為ひとつひとつについて、使用前に「どの農薬を」「いつ」「どれくらい」投与できるかを記憶に頼らずチェックできるとともに、使用した農薬・肥料等の栽培履歴情報入力・蓄積も簡単に行える。

タッチ入力式小型端末は、操作画面が直感的で、年配の生産者にも抵抗感なく使用できる。生産者は、農薬取締法違反などの栽培に関わる事故を予防でき、生産者団体は、栽培履歴の出荷検査などの負担が軽減され、収穫後の農作物残留農薬検査結果との付き合わせや農作物生産リスク管理手法への対応が容易となる。

システム統合により、デジタル化された「アグリカルチャー@ポケット」の農業生産栽培履歴と、「アグリポイント」で把握される出荷履歴情報が結び付いた形でデータセンターに蓄積され、出荷後、いつでも、どの場所からでも、インターネットを通じて栽培履歴情報が引き出せるようになり、これまで困難だった川上(圃場単位)から川下(出荷包装・箱単位)までの一貫した青果物トレーサビリティーを実現。

農業生産者は残留農薬ポジティブリスト抵触による出荷停止などのリスクを圃場レベルまで低減することができる一方、販売店としては「収穫日」「産地出荷日」などの生産履歴情報店頭表示もできることから、安全性や鮮度に注目した商品選定の機会を消費者に提供することが可能になる。

両社は、2007年中をめどに統合システム開発を完了させた後、共同で全国の青果物生産者団体に対しシステム導入を働きかけていくとともに、青果物を扱う流通業者にトレーサビリティー情報の利用も促す。

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