クラレは12月14日、ポリビニルアルコール繊維・ビニロンの需要拡大に対応するため、岡山事業所(岡山県岡山市)に年産5000トンのビニロン生産設備を増設すると発表した。稼動は2008年12月で、増設後の年産能力は現状の3万5000トンから4万トンになる。投資額は20億円。
ビニロンはポリビニルアルコール(ポバール)を原料とする、日本での合成繊維の第1号で、クラレは1950年に生産を開始。学生服などの衣料、魚網・ロープ・寒冷紗などの農水産資材からスタートし、高強度・高弾性・低伸度・耐アルカリ性などの素材特長を生かして、現在はFRC(セメント補強繊維)、紙、不織布、ゴム資材などへ用途を拡大している。
世界的なアスベスト規制の動きの中で、住宅屋根材・建材用などのFRC用途が拡大しており、これまでの西欧・日本などの既存市場に加え、東欧・アジア・中南米などの新興国への市場拡大が見込まれている。