CB RICHARD ELLISが発表した調査によると、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は2008年10月-12月の四半期ベースでは15.0%(同年前期比0.5%増)の微増にとどまった。関西圏では16.5%(4.9%減)で改善傾向を示している。
また、首都圏の中大型規模の募集賃料水準は、埼玉県でマイナス1.0%、千葉県でマイナス6.5%、東京都でプラス5.4%、神奈川県でプラス1.5%という結果となった。
埼玉県、千葉県では下落傾向を示しているが、東京都、神奈川県では堅調な推移となっている。
<首都圏の平均募集賃料水準>
大型供給が相次いだこともあり、テナント獲得競争により賃料水準は実勢ベースでは弱含みで推移するエリアもみられてはいるが、募集賃料ベースでは比較的安定的な推移となっている。
現状では大型施設に対する需要は見られおり、賃料水準も比較的安定的な推移となっているが、昨今の景気悪化に伴う企業の物流コスト削減意識が強いことを考えると、今後は大きく上昇することは考えにくい。
首都圏では、同期は四半期ベースで過去最大の5棟約11.5万坪の新規供給が行われていた。2009年以降は、供給過剰感が見られた2008年の半分の水準まで新規供給が減少する見込みで、新規需要が喚起されれば空室率が改善される可能性もあると指摘している。
<首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率>
関西圏の空室率は、2008年9月期が21.4%、12月期は16.5%だった。湾岸部を中心に2006年から2007年にかけて物件が大量供給されたが、2008年に入り空室の消化が進んでいるという。
中部圏の物流業界動向については、自動車関連企業をはじめとする製造業の減産の動きが目立ち2008年と比較して荷動きは減少傾向にあると指摘している。