昭和電工は4月22日、大型リチウムイオン電池向けの黒鉛負極材「SCMG」を開発し、発売すると発表した。
同社ではSCMG需要の今後の伸びを期待しており、大町事業所（長野県大町市）の生産能力を現状の1000トン／年から2012年に3000トン／年に引き上げる。2012年のSCMGを含むリチウムイオン電池向けカーボン材料の売上高は80億円を見込む。
SCMGは独自の粉体処理技術で、負極材として加工した炭素原料を大町事業所の特殊高温黒鉛化炉で熱処理し生産する。SCMGの使用で、リチウムイオン電池の急速放電特性が向上し大電流の使用が、サイクル寿命の向上で電池使用の長期化がそれぞれ可能となる。SCMGは今年から販売されるリチウムイオン電池搭載の複数の電気自動車向けに採用が決定している。
この採用の決定で、一部生産能力の増強に着手した。、2009年内の完工を目標に大町事業所の特殊高温黒鉛化炉の改修、粉体加工設備の追加などを行っており、同事業所の主力製品、人造黒鉛電極の既存製造設備を活用し効率的な設備投資を実施する。
2010年以降は、自動車用リチウムイオン電池の需要の立上がりを見極め、黒鉛負極材の主要工程の特殊高温黒鉛化炉などにも投資を実施。これらのSCMGの生産能力増強では、2009年分を含めて2012年までに約20億円の設備投資を見込む。
