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釜山港湾公社/釜山港の物流改善セミナーに400人、誘致をアピール

2009年04月24日/セミナー

釜山港湾公社は4月24日、ホテルニューオータニ東京で「釜山港を利用した物流改善セミナー」を開催、400人が来場した。

<挨拶する釜山港湾公社の盧基太(ノギテ)社長>
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公社の盧基太(ノギテ)社長が「釜山港は、韓国国内のコンテナの80%を捌いており、世界第5位の港湾だ。アメリカ大陸と欧州を結ぶ幹線航路の途中に位置し、世界の500有余の港湾を結ぶゲートウェイとして貢献している。港湾物流分野では、今後日韓協力関係は密になるだろう」と挨拶した。

<釜山港湾公社の陳奎昊(ジンギュホ)日本代表部代表>
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続いて、同公社の陳奎昊(ジンギュホ)日本代表部代表が「釜山港のメリットおよび開発戦略」と題して講演した。

韓国政府は、年間480億ウォンのインセンティブを、船主や荷主、ターミナルオペレーターに対して提供。船主に対しては、トランシップ(T/S)・ボリュームインセンティブなど3つ、荷主に対しては、T/S貨物の入港料免除など2点、ターミナルオペレーターには、ターミナル賃貸料の15%減免など3点のインセンティブが与えられる。

霧や台風による港湾閉鎖はゼロ(2008年1~6月)。北部中国・東南アジアとの間で、トランシップシャトルを運行している。開発計画では、釜山港から25㎞離れたところで釜山新港を開発している。コンテナ30バース(2015年時)、水深16~18m、年間処理能力1500万TEUの実現を目指している。

港湾に整備されている背後物流団地へは、2009年下半期までに、22のコンソーシアムが入居する予定で、新規貨物創出見込みは、94万7485TEUに上る。

入居可能な企業は、荷役・運送・保管・展示の各事業者に加え、複合物流関連産業や国際物流企業を含む。賃貸期間は、最長50年間で、賃貸料は年間に平米あたり480ウォンとなっている。

各種の税制優遇措置が講じられており、500万ドル以上を投資する物流企業に対しては、法人税や所得税などが3年間100%免除され、以降2年間は50%減免される。

間接税についても、無関税や付加価値税減免などの優遇措置が取られている。釜山港から日本の事業者に2つの提案をしたい。一つは、トランシップポート(積み替えハブ港)としての利用。釜山港から、日本海中心にアクセスの良い日本の港に積荷を輸送することで、日本国内の内陸輸送費を削減できる。

もう一つは、釜山港のフリートレードゾーンである「背後物流団地」の利用。通過点ではなく、物流拠点としての本格的な活用を提案する。これによって、従来比で33.9%の物流費削減が可能になる。

<釜山港の年度別コンテナ取扱い量>
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<再開発後の鳥瞰図>
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<韓進海運新港湾の崔英培(チェヨンベ)社長>
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韓進海運新港湾の崔英培(チェヨンベ)社長は、「ターミナルオペレーターの立場から見た釜山港のアドバンテイジ」をテーマに。

当社のヤード運営は、無人自動システムが完成しつつある。これで30%近く生産性を向上できる。主要荷役装備は、岸壁クレーン12基とヤードクレーン42基。最先端の設備導入に対して3000億ウォンを、システム開発費には100億ウォンを投資している。

世界初の水平自動化ヤードシステムを取り入れて、24時間高いヤード生産性を実現。世界で初めて、RFIDをヤードオペレーションに導入した。バース生産性が28%アップしたほか、ヤード生産性とゲート生産性ともに2けたの向上を実現している。

船舶の出港時間を保証する「キャッチアップサービス」の提供も可能だ。物流合理化による費用節減効果も大きな強みだ。特に、円高基調の経済環境下でウォン安のメリットが最大限享受できる。

<C&S国際物流センター事業運営本部の朴聖喆(パクスンチョル)部長>
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C&S国際物流センター事業運営本部の朴聖喆(パクスンチョル)部長が、同社の事業についてブリーフィングを行った。

当社は、コンテナヤード・デポ15か所、物流センター5か所、ハブターミナル4か所、宅配営業所約500か所を持つ。保有する車両は全部で4064台に上る。主要事業部門の一つである鉄鋼運送事業では、物流コストの23.5%削減(陸上運送比で)とリードタイム2日減の3日を実現している。

釜山新港での物流センター施設は、敷地面積6万6430㎡、建築面積3万7516㎡、倉庫面積3万3400㎡。悪天候でも作業可能なキャノピーを設置し、ウイングボディはじめあらゆる車種の出入りが可能。倉庫は、全部で3棟(60M×221M、60M×110M、60M×110M)で構成。ドック施設ではコンテナ作業場と野積み場としての役割を担う。

<三井物産食料リテール物流部企画営業室の谷口弘室長代理>
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三井物産食料リテール物流部企画営業室の谷口弘室長代理は、釜山港を利用した物流のメリットについて、子会社MCCLOGISTICSKOREAの事例を紹介した。

韓国の国策で行っている事業なので、何でもやらせてもらっている。MCC(マルチカントリーコンソリデイション)やSCM、DCM(デマンドチェーンマネジメント)をはじめ、運送や荷役、保管、組立、分類、包装、配送などのロジ関連ももちろん行っている。

特にお奨めしたいのが、MCCだ。これは、世界各地からの輸入品を釜山で一元管理・保管して効率化アップを図るものだ。釜山で必要なものと数量を小分けして、フルコンテナベースにして顧客の最寄の港に輸送する。これによって、トータルの在庫や廃棄ロス、倉庫保管コスト、横持ち輸送コストなどが削減される。

業態や取扱い品目によって事業はあるだろうが、究極論として、日本へのリードタイムの短い釜山ならば国内ディストリビューションセンターに代わる拠点としての利用が可能だ。

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