日本無線は10月20日、英国ニューカッスル大学発ベンチャー企業(オーラ・プロテイン・テクノロジーズ:ORLA)と、バイオセンサチップの開発・製造・販売を行なう合弁会社を英国に設立すると発表した。
日本無線と英国ORLAは、弾性表面波(SAW)デバイスを使ったバイオセンサチップの開発・製造・販売を目的として、現地法人を英国に設立する。SAWバイオセンサチップは、医療機器メーカや分析機器メーカに販売され、インフルエンザ、HIVなどの感染症診断や、食品・環境分野で病原菌などの簡易テスタとして利用されるなど、さまざまな応用が期待される。
日本無線は、溶液中で動作可能なセンサ用SAWチップと小型で高性能なセンサ検出回路モジュールを製造し、合弁会社に供給する。自社保有する小型・高機能電子部品であるSAWデバイス技術の活用と、自社コア技術である無線通信回路技術をセンシング回路に応用したもの。ORLAは、自社が保有するタンパク質をデバイス表面上に固定化する技術と自社開発のタンパク質を合弁会社に供給する。
合弁会社は、SAWチップとタンパク質を最適に融合し、顧客仕様にカスタマイズされたSAWバイオセンサチップを製品化し、センサ検出回路モジュールとともに販売する。