スズキは12月9日、独フォルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシャフトとの包括的な提携関係構築で合意し、基本契約書に署名したと発表した。
このため、スズキはフォルクスワーゲンに対し第三者割当の自己株式処分(1億795万株)を行い、資本面でも結びつきを強める。
今回の包括的提携では、商品ラインナップと生産・販売地域で相互補完し、環境技術にも共同で対応することで、個々の特長を生かせるとして一致した。提携の主な内容は、商品開発から生産・販売まで全分野での相互協力とこれによるスケールメリット、相乗効果の追求、両社による株式の相互保有。
両社は互いの経営の自主性を尊重しながら協力し、エマージングマーケットへの対応や、環境性能に優れた小型車の開発・供給などを中心に、提携の相乗効果を目指す。
資本提携は協力関係の発展のため、フォルクスワーゲンがスズキの発行済み株式の19.9%を取得し、筆頭株主となるもので、株式取得は関係官庁の認可後2010年1月に行われる。
一方スズキは、フォルクスワーゲンによるスズキ株式の取得額の半額を限度にフォルクスワーゲンの株式を取得する予定。今回の提携合意でDr.マルティン・ヴィンターコルン フォルクスワーゲン会長は、「世界の大手自動車メーカー2社が力を合わせ、困難に立ち向かっていくことになった。尊敬され、評価されているメーカーと協力できることは大変な誇り」とコメントした。鈴木修・スズキ会長も「両社はお互いの強みを活かして協力し、一人でも多くの顧客から支持されるよう全力を尽くす」と提携を歓迎するコメントを発表した。