東邦テナックスは6月28日、エアバス社の親会社であるオランダのEADS社との間で、EADS社傘下の企業が開発・製造する航空機向けに、炭素繊維「テナックス」の原糸と中間材料を直接供給する長期契約を締結したと発表した。
同時に基本契約に基づく具体的な個別契約の第1弾として、A350XWB(エクストラ・ワイド・ボディ)機向けに炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板を直接供給する契約を締結した。すでに材料としての認定試験を開始している。
東邦テナックスは、今後予測される熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維複合材料の需要拡大に対応するため、熱可塑性プリプレグ(炭素繊維に樹脂を含浸させたシート)の製造設備をドイツの事業拠点に新設することを決めており、2011年3月の生産開始に向けて工事を進めている。
東邦テナックスとエアバス社は、その他の航空機向けにも炭素繊維中間材料の開発を進めている。開発しているのは、炭素繊維「テナックス」にベンゾオキサジン樹脂を複合させた炭素繊維プリプレグで、現在、A380後部胴体部にある補助動力装置収納部の天板用として、供給契約締結に向けて協議を進めている。