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三菱ケミカルHD、三菱レイヨン/経営統合

2009年11月19日/SCM・経営

三菱ケミカルホールディングスと三菱レイヨンは11月19日、経営統合を発表した。

三菱ケミカルホールディングスを持株会社とする企業グループに三菱レイヨンが参画。物流、購買調達、事業拠点、類似事業を行う関係会社群の統合などによるコストシナジーが期待できる。

三菱ケミカルホールディングスは、三菱化学、三菱樹脂、田辺三菱製薬の3社を基幹事業会社とする純粋持株会社。3基幹事業会社を含む子会社・関連会社からなる三菱ケミカルホールディングスグループは機能商品、ヘルスケア、化学品の3つの事業分野で事業を展開している。

三菱レイヨンは、英国ルーサイトの買収により世界№1に躍進したメタクリル酸メチル(MMA)を基軸とした化成品・樹脂事業、アクリル繊維・アクリロニトリル、誘導品事業、炭素繊維・複合材料事業、アセテート・機能膜事業などを展開している。

三菱ケミカルホールディングスグループの基幹事業である化学品事業については、世界的な景気後退に伴う需要の減少と製品価格の下落、原油等原材料価格の乱高下、円高の進行などにより、事業環境は厳しいものとなっている。巨大市場を有する中国や石化汎用市場では競争力のある中東諸国企業の台頭により、日本企業の国際競争力の低下を招いている。欧米企業を中心とした大型事業再編による動きも活発化するなかで、グローバルな競争が激化し、企業活動の国際化や、大規模化が迫られている。

三菱ケミカルホールディングスは、集中事業への重点投資、低収益事業の縮小・撤退による事業構造の大胆な変革、M&Aや研究開発活動の加速による既存事業の高付加価値化・高機能化の推進と新規事業の早期立上げ、海外事業の拡大による国際競争力の強化を主な目標として、事業推進を図っている。

三菱レイヨンは、事業ポートフォリオ・マネジメントの徹底を推進しており、具体的な施策として進めたルーサイト社の買収を足掛かりに、グローバルに展開する企業を目指している。

純粋持株会社である三菱ケミカルホールディングスのもとで、三菱化学、三菱樹脂、田辺三菱製薬の3社に三菱レイヨンが基幹事業会社として加わることにより、両社の経営資源を一体化し、企業規模の拡大と強固な事業基盤の確立を図るとともに事業競争力と開発力を強化し、激化が予想されるグローバルな競争に勝ち抜く企業グループとなることを目的として、経営統合を行うことに合意した。

三菱ケミカルホールディングスグループは、経営統合により中期経営計画「APTSIS 10」の重要課題であるグローバルな競争時代に対応するための企業規模の拡大に加えて、三菱レイヨンのMMA事業に加え、今後急速な需要拡大が期待される炭素繊維・複合材料事業・水処理事業などの成長事業を獲得する。

三菱ケミカルホールディングスグループが推進している高付加価値事業へのシフトが加速されるとともに、炭素繊維・複合材料事業、水処理事業、添加剤・コーティング材などのスペシャリティーケミカル事業分野におけるシナジーも期待できる。

アジアや欧米に強固な事業基盤を有する三菱レイヨンとの経営統合により、三菱ケミカルホールディングスグループは事業のグローバル展開を加速・強化することが可能となる。

三菱レイヨンは、中期経営計画「New Design MRC」において重要課題としているMMA系事業の強化・成長加速や、次期コア事業と位置づける炭素繊維・複合材料事業・水処理事業の育成と拡大などについて、三菱ケミカルホールディングスグループの事業基盤や経営資源をフル活用することが可能となる。人材面を含めたさまざまな経営資源の拡充・強化につながる可能性がある。

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