宇部興産は7月28日、アジア地区でのポリブタジエンゴム（BR）の需要拡大に対応するため、千葉石油化学工場（市原市）のBR製造設備を1.5万t／年、増強すると発表した。
生産能力は9.5万トン／年から11万トン／年に拡大する。総投資額は14億円で、2012年8月に稼動を開始する。
BRは、タイヤ、耐衝撃性ポリスチレン（HIPS）と靴底向けが主な用途であり、最大のマーケットであるアジアを中心に今後5％近い需要の伸びが見込まれている。タイヤについては、大手タイヤメーカーを中心に多くの需要家が能力拡大を進めており、今回の増設はこの需要増に対応する。
宇部興産は現在、BRを世界3拠点で生産しており、グループの生産能力は千葉工場（9.5万t／年）、タイ（7.2万t／年）、中国（5万t／年）の合計21.7万ｔ／年で、世界第4位のBRメーカー。2011年末には中国での増強（2.2万t／年増）を予定しており、今回の設備増強の第2段階として2013年8月の稼動を目指し、1.5万t／年の能力増強についても検討を進めている。
