昭和電工は8月31日、インドネシア・アンタム社と共同で行っていた、ケミカル用アルミナの生産についての事業性評価の結果、2011年1月からインドネシア西カリマンタン州にアルミナ工場の建設を開始することで合意したと発表した。
完工は2013年12月、操業の開始は2014年1月の予定。投資額は約4億5000万米ドル(約400億円)を見込みむ。新工場の生産能力は年産30万トンで、このうち20万トンは昭和電工が、残りの10万トンはアンタム社が引き取る。
現在、横浜事業所において年産約20万トンのアルミナを生産しており、生産過程で発生するボーキサイト残渣の海洋投入処分を2015年末までに終了し、横浜事業所での生産からも撤退することを決定済みであるため、新工場における引き取り分の20万トンを横浜事業所生産分の代替品とする。
新工場はアンタム社が80%、同社が20%出資する合弁会社インドネシア・ケミカル・アルミナ社(ICA社)が運営する。アルミナの原料であるボーキサイトは採掘権を保有するアンタム社がICA社に供給し、アルミナ生産に関する技術は同社が提供する。新工場の建設は月島機械がリーダーとなるコンソーシアムへの発注を決定している。
アルミナはアルミニウム製錬の原料となるほか、中間製品である水酸化アルミニウムは浄水場における水質の浄化剤などに、またアルミナは機能性材料、エレクトロニクス製品の材料としても使用される。新工場ではケミカル用アルミナ(アルミニウム製錬原料以外に用いられるアルミナと水酸化アルミニウムの総称)を生産し、既存顧客への販売に加え、新たにインドネシア国内や周辺地域における水質浄化用途向け等の需要増加に対応する。