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凸版印刷/半導体フォトマスク製造プロセス構築

2010年09月10日/物流施設

凸版印刷は9月9日、朝霞フォトマスク工場(埼玉県新座市)内に、22nm・20nm(ナノメートル:1nmは10億分の1メートル)半導体向けのフォトマスク製造プロセスを構築したと発表した。

IBMとの共同開発によって実現した。凸版印刷は、22nmと20nm半導体を開発する半導体メーカー向けに、試作用と量産用のフォトマスクを供給する体制を整えた。

多機能スマートフォンや高機能デジタル家電の需要が高まるにつれて、これらの機器に搭載される半導体も進化している。半導体には、一層の高性能化、低消費電力化、低価格化が期待されている。ニーズに応えるためには、半導体の製造に不可欠な回路原版であるフォトマスクを、より微細に、低コストで製造することが重要となる。

EUV(極端紫外線)をはじめとする次世代リソグラフィ(露光によるパターニング)技術に対する関心が高まる一方で、それらのいずれもが 22nm/20nm世代の量産に導入するには、依然としてさまざまな課題を抱えている。

IBMと凸版印刷の共同開発チームは、IBMのウェハ技術チーム(米・ニューヨーク州)とのコラボレーションにより、開発コストの大幅削減と同時に、22nm・20nm世代でも現在主流のArFリソグラフィ(光源に波長193nmのArFエキシマレーザーを使用した露光パターニング技術)での半導体製造を可能にする革新的なフォトマスク製造技術を開発した。

最新フォトマスク技術は、ArFリソグラフィによる微細化を継続するための手法として注目されているダブルパターニングやSMO(Source Mask Optimization)といった最先端リソグラフィの要求に対応している。

IBMと凸版印刷の共同開発チームは、新しいフォトマスク材料の開発とその材料に適応したフォトマスク製造プロセスの開発に取り組んだ。新開発のフォトマスク材料「薄膜OMOG(Opaque MoSi on Glass)」を取り入れたフォトマスク製造プロセスの特長として、フォトマスクの平坦度改善、プロセスに起因する位置精度変化の低減、洗浄耐久性の向上、微細パターンの解像性向上、寸法精度の均一性の向上、などが挙げられる。

薄膜化したフォトマスクを採用することにより、リソグラフィ工程では大きなメリットが得られる。微細化進展にともない、光の波長(ArF=193nm)より小さなパターンが増加することによってフォトマスクの膜の厚さがフォトマスクを通過する光に悪影響を及ぼし、ウェハ工程での転写性能を悪化させることが問題となってきた。

薄膜化により、この影響は低減され、その結果EMFバイアスの低減、ウェハ工程での生産性の向上、そしてマスクパターンデザインの制限緩和が可能となる。薄膜OMOGを使用することで、フォトマスク自体の性能が向上するだけでなく、ウェハ転写時のメリットとの組み合わせ効果により、さらに優れたトータル・リソグラフィ・ソリューションが実現する。

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