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アビームコンサルティング/SCM改革をクラウドで

2010年10月06日/IT・機器

アビームコンサルティングは10月6日、製造メーカー向けの「需給クラウドサービス」の提供を開始すると発表した。

需給改革を低コスト・低リスク・短期間で実現するのが特徴だ。

「需給クラウドサービス」は、同社の需給改革支援の経験に基づき開発した「需給テンプレート」を、SaaS型で提供するのがポイント。在庫・廃棄ロスの削減や需給業務の標準化・省力化を支援する。サービス活用によって、IT資産を所有せずに、低コスト、短期間に需給改革の土台を構築することが可能となる。

<需給テンプレートをSaaS型で提供>
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「需給テンプレート」のユーザーメリットは、同社が「需給改革で培ってきた『外さないテンプレート』を低コスト・短期間で現場に定着させることができる点にある」(山中義史SCMセクターマネージャー)。

<山中SCMセクターマネージャー>
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競争が激化する製造メーカーでは、一層のコスト削減が課題となっている。製造コストの削減には成功するものの、在庫コストの削減に成功した企業は限られているうえ、従来の海外パッケージ導入やスクラッチ開発を用いた需給改革では、億単位の初期投資、長期にわたる導入期間、高額な保守・運用コストが必要なため負担が大きく、改革に踏み出せないケースが見受けられる。

「需給テンプレート」は、「属人的な需給業務の標準化」、「全社需給情報の見える化」など、多くの企業が抱える需給課題に対応する必須機能を標準装備している。システム適合率が高く、改修規模が小さく抑えられるため、低コスト、短期間での導入が可能だ。現場の声を取り入れた使い勝手のよいシステムのため、拡張性にすぐれ、顧客の要件に応じた柔軟な実装を実現する。

同サービスは、「需給テンプレート」を活用し、需給改革の土台となる「業務の標準化」、「需給の見える化」、「業務の自動化」を支援する。難易度が低く、効果の高い施策を改革の第1ステップとして実施し、需給基盤が整っていない企業にも早期に効果を創出する。土台を構築することによって、計画精度の向上や責任・権限の再配置といった需給改革の高度化を効率的に進めることが可能だ。

「需給テンプレート」には、「在庫計画表」が標準装備されており、関連するすべての部門で、同一画面・同一数値を見ることによって意思決定スピードが向上する。同画面で、販売~物流~生産情報の見える化を実現する。

<在庫計画表の見本画面>
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画面上では、生産部門の生産計画、生産実績、営業部門の販売計画、需要予測、出荷実績、需給・物流部門の補充計画、稼働実績、将来在庫推移、欠品・滞留見込み、在庫実績の表示が可能となる。

SaaS型で提供されるためIT資産を所有する必要がなく、低い初期コスト、短期間でのシステム導入を実現。運用コストの負担を抑える。ITの保守・運用費がサービスに含まれるため、自社で専門のIT要員を抱える必要もなく、低い運用コストでの利用が可能だ。

サービスは、日本電気の先進技術を集結した共通IT基盤サービス「RIACUBE(リアキューブ)」をプラットフォームに採用しており、同サービスを高セキュリティ下で利用できる。

食品、消費財、医薬、ハイテク業界で需給改革に着手が困難だった中小企業や、これまでの需給改革で効果が得られなかった企業を対象に提案を行う。ただし、ハイテクのグローバルSCMは対象外とする。初年度10数社への導入を目指す。価格、導入期間は提供するサービス内容により異なる。初期費用の目安は1000万円~、月額の使用料100万円~、導入期間は3か月~。

アビームコンサルティングが製造メーカー18社に対して行った独自調査によると、対象企業をSCM部門が管理指標として用いている製品在庫日数でみた場合、在庫日数15日未満(グループ1)、20~26日未満(グループ2)、30日以上(グループ3)に区分できることが分かった。

<在庫日数によるグループ分け>
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同社の安井正樹SCMセクター長プリンシパルは、「クラウドのうまみを生かして各層に効果を遡及させることが可能」と話している。

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